免許返納で受けられるサービスや特典にはどんなものがある?
配信日: 2022.01.28
運転免許証を自主返納すると、車の運転ができなくなる代わりに、自治体や事業者が提供するさまざまな特典やサービスを利用できるようになります。
ここでは、運転免許証の自主返納制度について紹介するとともに、自主返納で受けられるようになる特典やサービスにはどのようなものがあるかをまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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運転免許証の自主返納制度とは
運転免許証の自主返納とは、運転免許が不要になった人や、高齢になり身体機能や判断能力などが低下して運転に不安を感じる人などが、自主的に運転免許証を返納できる制度です。
近年、70歳以上の高齢ドライバーによる交通事故が社会的な問題になっていることを受け、高齢ドライバーの自主返納を推奨する風潮があり、自主返納をする人が増えています。
警察庁が発表した「自主返納件数と運転経歴証明書交付件数の都道府県別・月別の推移」によると、令和2年に運転免許証を自主返納した人は全国で55万2381人にのぼり、そのうち52万5942人が65歳以上の高齢者でした。
しかし、高齢者だけが利用できる制度ではなく、運転免許証を持つ人は誰でも利用できる制度です。
運転免許証を自主返納すると運転経歴証明書が交付される
運転免許証を自主返納した際、5年以内に申請すると、運転経歴証明書の交付を受けられます。
運転経歴証明書とは、過去5年間の運転経歴を証明するもので、カードの形をしています。マイナンバーカードなどの身分証明書がまだなかった平成14年に「運転免許証を自主返納すると身分証明書がなくなる」といった懸念の声が上がったことから、導入されたものです。
その後、法改正により、公的な本人確認書類として金融機関などで使用可能となりました。運転経歴証明書には有効期限がないため、身分証明書として永年利用できます。
また、運転経歴証明書には、運転免許証を返納した人が特典を受ける際の利用証としての役割もあります。運転免許証の推進や返納者の生活を支援する目的で、各自治体や事業者がさまざまな施策を行っており、運転経歴証明書を提示することでそれらの特典を利用できる仕組みです。
運転免許証の自主返納をした人が受けられる特典にはどのようなものがあるのか、以下で紹介します。
自主返納・運転経歴証明書の提示で受けられるサービスや特典
運転免許証を自主返納した人は、運転経歴証明書や運転経歴証明書交付済シールを貼付したマイナンバーカードなどを提示することで、自治体や事業者が提供するさまざまな特典を利用できます。
特典のなかには、運転免許証の自主返納者や家族がマイカーを利用しなくても生活がしやすいような配慮がなされたものが、多くみられます。
・バスやタクシーの運賃割引
・商店の宅配料金の割引
・引っ越し料金の割引
・電動車いすの購入代金割引
また、運転免許証を自主返納した住人に対して、地方自治体がタクシー券やバスカードなどを支給しているケースもあります。このほか、次のような特典を提供している事業者もあり、特典やサービスの内容は非常に多岐にわたります。
・運転経歴証明書の証明写真費用の助成
・商品券贈呈
・粗品進呈
・飲食店の代金割引
・メガネ・補聴器の購入代金割引
・美術館などの施設の利用料金割引
・金融機関の金利優遇
・針灸治療費の割引
・遺言書作成費用の割引
運転免許証の自主返納で受けられる特典内容は各自治体によって異なりますので、自治体や都道府県警察のホームページなどに掲載されている内容を、確認してみましょう。
安全のためにも免許証の返納を検討しよう
運転免許証を返納すると、マイカーで移動できないことによる不便はどうしても生じます。しかし代わりに、交通機関の運賃割引や宅配料金の割引など、マイカーに変わる手段を利用しやすくなる特典をはじめ、さまざまなサービスを利用できるようになります。
高齢になると、自分では大丈夫だと思っていても、身体能力や判断能力の衰えにより、若いころでは考えられないような運転トラブルを起こすこともあります。
不本意な交通事故を増やさないためにも、思い切って運転免許証を自主返納し、特典やサービスを活用して生活することを、検討してみてはどうでしょうか。
出典
警察庁「運転免許証の自主返納に関するリーフレット」
警察庁「自主返納件数の都道府県別・月別の推移(令和2年)」
警察庁「自主返納制度と運転経歴証明書について」
高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体の特典一覧 警視庁
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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