更新日: 2022.03.30 老後

介護保険を使わなかったら、介護費用はいくらかかる?

介護保険を使わなかったら、介護費用はいくらかかる?
健康保険に加入している方であれば、満40歳に達したときから介護保険料の徴収が始まります。身体が健康なうちは、どうしてそのような費用を負担しなければならないのかと疑問に思われるかもしれませんが、実は介護保険は私たちの老後の暮らしを守るためになくてはならないものです。
 
ここでは、介護保険の有用性を確認するために、それを利用しなかった場合、どれくらいの介護費用がかかるのかをみてみましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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介護保険制度とは?

そもそも介護保険制度とは、介護を必要とする高齢者を支える仕組みであり、その財源は公費や高齢者自身が負担する介護保険料に加え、現役世代が負担する介護保険料によって賄われています。もっとも、現役世代であれば、誰もが介護保険料を負担しなければならないというわけではありません。
 
具体的には、健康保険に加入している40~64歳までの方が保険料の支払い義務を負うことになっているのです。会社勤めをしていて税金や社会保障料が給与から天引きされている方の場合には、40歳になると自動的に介護保険料も差し引かれる形になります。
 
もしこれまであまり気にしていなかったのであれば、これを機に改めて給与明細や源泉徴収票を確認してどれくらいの金額負担になっているかを確認してみるとよいでしょう。
 
なお、現役世代の介護保険料は、原則として標準報酬月額などをベースに決まる仕組みになっています。ただし、事業者との労使折半となるため、実際に負担しなければならないのは本来の保険料の半額です。
 

介護保険を利用しない場合に介護費用はどうなるのか?

介護保険を利用すると、介護サービスを受ける場合の費用の一部を保険で充当することが可能です。利用者の負担割合は、65歳以上の方であれば1割が原則ですが、一定以上の所得を得ている方の場合には2割、さらに所得が高い方の場合には3割となります。また、40~64歳までの方が、特定疾病による要介護認定を受けて介護サービスを利用する場合の自己負担割合は1割となっています。
 
例えば、要介護5の認定を受けた方が特別養護老人ホームに入居すると、施設サービス費として毎月2万5000~3万円ほどの自己負担額が発生するケースが一般的です。もし介護保険を利用しない場合には、自己負担割合が1割だとすると、実に25~30万円もの費用を支払わなければならなくなってしまうのです。
 
実際には、これ以外に居住費や食費、日常生活費などもかかってくるため、合計では毎月40万円近い出費となります。これをみれば、介護保険を利用せずに介護サービスを受けると、いかに高額の負担を強いられるかが分かるでしょう。安心して老後の暮らしを送るためにも、介護保険はなくてはならない制度なのです。
 
なお、居宅サービスを利用する場合には、要介護度別に1ヶ月あたりの利用限度額が定められているという点に注意しなければなりません。要介護5であれば上限は約36万円ですが、もっとも軽い要支援1の場合には上限は約5万円ですので、毎月の施設サービス費が25万円の老人ホームに入居した場合、20万円は自分で負担しなければならなくなってしまうのです。
 

介護サービスを利用しないことのメリットとは?

最後に、あえて介護保険による介護サービスを利用しないことにメリットはあるのかをみておきましょう。結論からいうと、利用しないメリットはほとんどありません。
 
介護保険による介護サービスを利用しなかったとしても、すでに納めた保険料は戻ってきませんし、全額を自己負担したからといって受けられる介護サービスのクオリティーが向上するわけでもありません。介護保険制度の財源維持に多少は貢献できるという点はメリットといえるかもしれませんが、あえて利用しない理由にはならないでしょう。
 

介護保険は老後の生活を維持するための大事な制度

上記でみてきたように、もしも介護保険を利用せずに介護サービスを受けると、利用した場合と比べて3~10倍もの費用を支払わなければならなくなりますが、多くの方の収入が少なくなる老後において、それだけの費用負担をするというのは現実的ではありません。せっかく長年にわたって保険料を支払ってきたのですから、機会があれば無理をしないで介護保険を利用するほうがよいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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