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地域に貢献したいと考えている人が年齢を重ねるにつれ増えている
令和2年6月に内閣府が発表した「令和元年度 市民の社会貢献に関する実態調査 報告書」によりますと、ボランティア活動経験の有無について、年代を重ねるごとにボランティア活動への参加経験がある方が増える傾向にあります。
図表1 ボランティア活動経験の有無 (単位:%)
全体 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
有 | 17.0 | 10.1 | 11.8 | 14.7 | 17.6 | 20.5 | 24.2 |
無 | 83.0 | 89.9 | 88.2 | 85.3 | 82.4 | 79.5 | 75.8 |
図表2 ボランティア活動への参加の妨げとなること(上位3項目)(単位:%)
参加する時間がない | ボランティア活動に関する 十分な情報がない |
参加するための休暇が取りにくい |
---|---|---|
51.4 | 34.1 | 28.3 |
図表3 ボランティア活動に参加した理由(上位3項目)(単位:%)
社会の役に立ちたいと思ったから | 自己啓発や自らの成長につながると 考えるため |
自分や家族が関係している活動への支援 |
---|---|---|
54.5 | 32.0 | 26.4 |
出典:令和2年6月 内閣府「令和元年度 市民の社会貢献に関する実態調査 報告書」
以上より、
・ボランティアに参加する時間が歳を重ねるにつれて増えてきている
・参加する時間ができることで、社会の役に立ちたいという気持ちを行動に移すことが可能となった
ことがうかがえます。それでは、参加する時間ができ、市民活動に参加したいと思ったとき、どうすればいいのでしょうか。
市民活動とはどのようなものか
一般的に市民活動とは、不特定多数の方への利益の増進に寄与することを目的に、自主的に行う活動のことをいいます。ただし、
・営利を目的とする活動
・宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする活動
・政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動
などを除きます。
市民活動を始めるにはどうすればいいのか
市民活動を始める前に、ご自身がどのような市民活動をしたいのかを考えておく必要があります。主なものとして、以下のような項目があげられます。
・活動目的 どんな分野で市民活動を行いのか
・活動頻度 毎日なのか、週に2、3回なのか。月1回なのかなど
・活動時間 朝なのか、昼なのか、または一日中なのかなど
・活動場所 自宅なのか、施設なのかなど
・活動範囲 小学校単位の活動なのかなど
・活動スタイル 個人で行うのか、数人なのか、グループなのか
1人ではなかなか活動するのが厳しいとお考えであれば、ボランティア活動団体やNPO法人に参加されることをおすすめします。
市民活動助成金はどこで受けられるのか
市民活動といっても、費用のかからない活動から、費用が発生する活動までさまざまです。では、費用がかかる市民活動を行う場合、支援などはあるのでしょうか。
・自治体が必ずしも市民活動助成金を交付しているとは限らない
自治体の中には、市民活動のポータルサイトを作成してボランティア情報、イベント、講座、交流会情報、助成金情報を提供して、市民活動の便宜を図っているところもあります。
助成金情報については、自治体が公募していることもありますが、一般社団法人や公益財団法人、社会福祉法人においても助成金の公募と交付を行っています。助成内容や金額はまちまちですが、共通点は、以下のとおりとなります。
・応募、申請期間が設けられている
・要件について定められている
・法人格の有無や活動期間について問われるケースがある
・個人で受けられないケースがほとんどである
まとめ
定年後のセカンドライフを有意義に過ごすために、市民活動に参加されることはすばらしいことです。ただし、市民活動を充実させるためにはさまざまな知見が必要となります。
自治体などから助成金を受け取るためには、応募期間や要件などを確認して申請することが大切です。特に個人での申請は受け付けていないケースもあるので注意しましょう。
人生100年時代と叫ばれて久しいですが、市民活動に参加し充実したセカンドライフを送られることを願っております。
出典
内閣府 令和元年度「市民の社会貢献に関する実態調査 報告書」
大阪市 大阪市市民活動推進条例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部