更新日: 2022.03.31 セカンドライフ

持ち家所有者の7割が「老後に不安」。現役時代に備えるべきことと、資金調達法とは

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

持ち家所有者の7割が「老後に不安」。現役時代に備えるべきことと、資金調達法とは
長寿の時代に突入し、自分たちの老後はどうなるのかについて考える機会が増えてきました。「早めに老後資金対策をした方がよい」と分かっていても、具体的にどうしたらよいか不安に感じている人も少なくないでしょう。
 
今回は、持ち家を所有している人が感じている老後に関する不安や、それを解決するための具体的な資金調達法について解説します。
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老後資金は心配だが約7割が準備不足を実感している

持ち家を保有している時点で、老後資金のうち住居費についてはさほど心配する必要はなさそうです。しかし、SBIエステートファイナンス株式会社による「老後資金に対する不安」調査によると、持ち家がある50歳以上の男女200人のうち91%の人が「老後に不安を抱えている」という回答でした。
 
具体的には、老後の生活資金や介護、健康に関する不安を感じているということが分かりました。不安に感じる一方、同調査結果では具体的に老後資金対策として満足に準備できていないと回答する人が約7割にのぼりました。
 

持ち家も資産のひとつである

もちろん、持ち家も資産のひとつです。老後も現在の持ち家にそのまま住み続けると回答した人が全体の7割弱ですが、そのうち約8割の人が持ち家に対して何らかの不安を抱いていることも分かりました。具体的な不安の内容について、以下のとおりです。

1位:修繕費やリフォーム代、固定資産税など住宅維持費用が心配(48.5%)
2位:家は残したいが誰も継いでくれない(12.5%)
3位:費用以外の問題で今の家に住み続けることが難しくなりそう(11.0%)

持ち家も資産のひとつとして考えるなら、不安に感じている老後資金面に生かせるような有効活用を検討するという選択肢もあります。そのためにはまず、持ち家の現在の価格を把握しておくことをおすすめします。簡単に目安としての金額を知るためには、現在の持ち家と築年数や立地条件などが類似している物件情報を参考にするという方法があります。
 
しかし、内装の状態など細かな条件の違いから金額の正確性に欠けるため、あくまで目安とするにとどまり、実際には不動産業者や金融機関の担当者と相談するのがよいでしょう。
 

持ち家を有効活用した資金調達法とは

資産のひとつである持ち家を有効活用した資金調達法には、主に以下の2種類があります。

●リースバック
●リバースモーゲージ

リースバックとは、不動産売買契約と賃貸借契約を同時に行うサービスのことです。まず、持ち家をリースバック運営会社へ売却し、同時に売却した持ち家に住み続けるための賃貸借契約を結ぶというものです。以降は、これまで持ち家だった家に賃貸借として入居し続けるという仕組みです。
 
いったん持ち家を売却するので、まとまった資金を受け取ることができ、この資金を老後資金として充当することが可能です。売却することで家の所有者は変更になりますが、これまで通り持ち家には住み続けることができるため安心です。
 
リバースモーゲージとは、持ち家を担保にまとまった資金の借り入れができる融資制度です。もちろん、制度利用後もそのまま持ち家に住み続けることができます。
 
この制度の対象は、持ち家はあるが主な収入が年金のみである高齢者世帯です。利用することで一時的にまとまった資金の借入ができるため、この資金を老後資金とすることができます。借り入れ後は、利息のみ返済していきます。債務者の死亡後、相続人が持ち家の売却などで借入金を清算するという仕組みです。
 

早めの資金調達の検討がカギ

多くの人が老後の生活に対して、健康や介護と並んで老後資金面でも不安を抱えていることが分かりました。漠然とした不安の中、なかなか具体的に老後資金の準備ができていない人が大多数であることも同時に分かりました。しかし、持ち家以外に資産がないと不安になる必要はありません。持ち家は立派な資産だからです。
 
そこで、老後資金に生かすための持ち家の有効活用として、リースバックとリバースモーゲージを紹介しました。どちらの制度も「従来の持ち家に住みながら一時的にまとまった資金を受け取れる」ことにメリットがあります。一方、持ち家を売却するのか、担保とするのかなど制度の違いもあります。家族と相談のうえ、どの方法ならうまく活用できそうか検討してみてはいかがでしょうか。
 
出典
SBIエステートファイナンス株式会社 老後資金に対する不安アンケート
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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