収入が激減! 生活が苦しいときに利用できる生活困窮者自立支援制度とは

配信日: 2022.04.29

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収入が激減! 生活が苦しいときに利用できる生活困窮者自立支援制度とは
コロナや病気が原因で働けず、収入が激減して生活が困難になってしまった場合どうすればよいのでしょうか。そんなときに利用できるのが生活困窮者自立支援制度です。生活困窮者自立支援制度では、住居確保給付金の支給や各種支援が受けられます。
 
生活保護は受けられないが経済的に困窮している、そんな方に向けて制度の概要について解説します。
荒木和音

執筆者:荒木和音(あらき かずね)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

生活困窮者自立支援制度とは?

経済的に困窮した場合のセーフティーネットの1つに、「生活保護制度」があります。しかし、生活保護を受給するためにはいくつかの要件を満たす必要があり、生活に困窮していても適切な支援を受けられないケースがありました。実際に、2011年度の厚生労働省のデータによると福祉事務所の来訪者のうち生活保護に至らない方は、年間約40万人に上りました。
 
働きたくても働けない、住むところがないといった生活困窮者に対して、生活保護に至る前の自立支援策を強化する狙いで作られたのが「生活困窮者自立支援制度」です。生活困窮者に対して包括的な支援をする制度となっています。
 

生活困窮者自立支援制度で行われている事業

生活困窮者自立支援制度における具体的な取り組みには、全国の自治体で取り組まれている「必須事業」と自治体ごとに取り組む内容が異なる「任意事業」があります。次に解説する事業のうち、自立相談支援事業と住居確保給付金の支給は必須事業です。
 

自立相談支援事業

全国の自治体に設置されている自立相談支援機関窓口で、生活困窮者と面談をし、個別の支援プランを作成する事業です。就労支援員による就労支援や関係機関への同行訪問、すぐに一般企業で働くのが難しい方を対象にした認定就労訓練事業の利用のあっせんなどを行います。
 

住居確保給付金の支給

離職や廃業などの理由により、収入が一定額まで減ってしまった場合に家賃相当額を支給する制度です。厚生労働省によると次の要件を満たした場合に、給付対象となります。

●主たる生計維持者が離職や廃業後2年以内である場合、または個人の責任や都合によらず給与等を得る機会が、離職や廃業と同程度まで減少している
●直近の月の世帯収入合計額が、住民税の均等割が非課税となる額の12分の1と家賃との合計額を超えていない
●現在の世帯の預貯金合計額が、各自治体で定める額を超えていない
●ハローワークへの求職申し込みや生活再建の支援プランに基づいて求職活動をしている

住居確保給付金は、各自治体で定められた生活保護制度の住宅扶助額を上限として、原則3ヶ月間支給されます。
 

就労準備支援事業

すぐに一般企業で働くのが難しい方に対して、就労するための基礎能力の形成を、計画的に支援する事業です。就労準備支援事業には、支援付きの就労の場を提供する認定就労訓練事業も含まれます。
 

一時生活支援事業

特定の住居を持たず、収入が一定水準以下の生活困窮者に対して、原則3ヶ月以内に限り宿泊場所や衣食を提供する事業です。
 

新型コロナウイルス感染症により収入が減少した場合には特例貸付が受けられる

新型コロナウイルス感染症によって一時的に収入が減少している場合には、緊急小口資金や総合支援資金といった「生活福祉資金の特例貸付」が受けられます。生活福祉資金の特例貸付が終了した場合や不承認となった世帯については、「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」の申請が可能です。ただし、申請期間は2022年6月末日までとなっているため注意しましょう。
 

出典

厚生労働省 生活困窮者自立支援制度について
一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワーク 困窮者支援情報共有サイト〜みんなつながるネットワーク〜 自立相談支援事業
一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワーク 困窮者支援情報共有サイト〜みんなつながるネットワーク〜 就労準備支援事業
一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワーク 困窮者支援情報共有サイト〜みんなつながるネットワーク〜 一時生活支援事業
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し生活に困窮する方へ
厚生労働省 住居確保給付金 制度概要
 
執筆者:荒木和音
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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