更新日: 2022.04.29 介護
【要支援利用可? 】介護老人保健施設の生活環境や費用を解説!
この老健に入所するための手続きはどうしたらいいのか、また生活環境でのメリットやデメリット、どれだけ費用が掛かるのかについて説明します。
執筆者:宮本建一(みやもと けんいち)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
介護老人保健施設とは
介護老人保健施設(老健)とはどのような特徴がある施設なのでしょうか。
・家庭復帰を目指すための施設
厚生労働省によると介護老人保健施設(老健)は、介護保険法八条28項において次のように定義されています。
介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。
老健は、居宅での生活へ復帰を目指す施設であり、また機能維持や改善を図るためリハビリテーションを提供する施設でもあります。そのため、医師ならびに看護師、理学療法士が常駐し、入所者のサポートを行っています。入所者の体調に異変があれば医師、看護師が在籍しているため、迅速な対応が可能です。
・入所期間は原則3ヶ月
介護老人保健施設は、居宅での自立した生活を目指すことを目的としているので、入所期間は特別養護老人ホーム(特養)のように長期にわたって入所はできず、原則3ヶ月です。
介護老人保健施設への入所の流れ
老健は入所者が居宅に戻って自立するためにリハビリテーションを行う施設ですが、入所するには一定の条件があります。
・入所可能な人は65歳以上でかつ要介護1以上
老健は高齢者が自立した日常生活を過ごせるよう、リハビリテーションを提供する施設であり、リハビリテーションを要しない要支援1、2の要介護認定者は、利用することができません。
・老健入所フロー
では、要介護1以上の要介護認定者は、老健の施設入所の利用は可能でしょうか。
入所の流れは以下の通りです。
1.要介護認定を受ける
要介護認定が要介護1~5でないと老健を利用できないため、利用を考えている方は、各自治体に連絡し、要介護認定を申請します。
2.相談、入所申し込み及び面談
要介護1~5の65歳以上の介護認定者で、老健利用を検討している場合、かかりつけの病院のソーシャルワーカー、または在宅の場合はケアマネージャーに相談します。入所施設や費用面などを相談の上、入所申し込みを行い老健にて面談します。
3.書類の提出、入所判定
入所予定者は老健より依頼のあった書類を準備し提出します。老健は面談での内容や提出書類を検討して入所の判断を行います。
4.契約・入所
入所が決まれば入所契約を交わします。
老健での生活環境のメリット及びデメリット
老健に入所し、生活をおくる際のメリット及びデメリットにはどのような点があるのでしょうか。
・メリット
●退所に向けて充実したリハビリが可能
理学療法士が入所者の状況を判断して、退所に向けて自立した生活を送れるよう、適切なプランニングを設計します。また入所者の家族にも現況を報告してくれるため、安心して任せることができます。
●医療スタッフの常駐
医師、看護師が常勤しているため、医療従事者による入所者の体調管理などのサポートが可能です。入居者に異変があれば迅速に対応してくれるため、家族にとっては安心です。
・デメリット
●あらかじめ入所期間が定められている
入所期間は原則3ヶ月となっており、特養のように長期での入所は不可能です。とはいえ、入所者の体調などを考慮し期間が延びることもあります。
●洗濯や買い物代行は家族が行う場合がある
入浴介助や排泄介助のサービスは老健内で受けられますが、洗濯及び買い物などは、ヘルパーの方は行わず家族が行うケースがあります。
●個室が少ない
多床室(4人部屋)が多く、プライバシーの確保が難しくなります。また、食事、リハビリ、体調の悪い場合以外は、いすに座ってじっとしていることも多くなりがちです。
介護老人保健施設での費用は?
老健施設で掛かる費用は介護度によって差はありますが、おおむね1ヶ月に8万円~20万円ほどです。この費用には施設でのサービス料や居住費(室料や水光熱費)、食費などが含まれます。
サービス料金は介護度によって決められているため、利用者によって異なります。また、日用品費や洗濯代など施設内での生活費は実費負担となります。
まとめ
介護老人保健施設(老健)について説明しました。
老健は65歳以上の要介護1~5の認定された方が利用でき、居宅で自立した生活を送ることができるよう、リハビリを行う施設です。老健での入所生活を前向きに送り、1日も早く、居宅での生活を過ごせるようになりたいですね。
出典
独立行政法人福祉医療機構wamnet 介護老人保健施設
e-Gov法令検索 介護保険法
執筆者:宮本建一
2級ファイナンシャルプランニング技能士