更新日: 2022.05.16 セカンドライフ
老後生活で特に増える支出は? 生活費の内訳もチェック
現役時代のうちに、何にどれくらいのお金がかかるのかが分かれば、自分に合った老後資金の貯め方や目標が立てられるでしょう。ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後の生活費の内訳
老後の生活費の内訳を、総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」(2022年1月調査)で60~64歳の二人以上の世帯で1ヶ月にかかる消費支出額を見ていきましょう。
【図表1】
項目 | 支出 |
---|---|
食料 | 7万4947円 |
住居 | 2万7695円 |
水道光熱費 | 2万9273円 |
家具・家事用品費 | 1万2083円 |
被服費 | 1万627円 |
保険医療費 | 1万5771円 |
交通・通信費 | 5万5905円 |
教育費 | 3615円 |
教養娯楽費 | 2万3250円 |
その他消費支出 | 8万622円 |
合計 | 33万3788円 |
出典:総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 3-2 世帯主の年齢階級別 より筆者作成
2022年1月調査時点では、60~64歳の二人以上の世帯で1ヶ月にかかる消費支出額は、33万3788円でした。ここで注意が必要なのは、ここから70、80代と年齢が上がると保険医療費が増えるので、生活費の負担が多くなる可能性があることです。
老後生活で特に増える支出は?
老後生活で特に増える支出には、次に挙げるものがあります。
●医療費、介護費用
●交際費
●旅行、レジャー費
この見出しでは、この3つの費用について、なぜ支出が増えるのか詳しく解説します。
なお、老後の生活スタイルによっては、ここで挙げた費用が多くかからない人もいるかもしれません。そのような人は自分の今の生活スタイルや趣味、老後生活で何をしたいかなどを考えて、参考にしましょう。
医療費・介護費用
厚生労働省「医療保険に関する基礎資料~令和元年度の医療費等の状況~」によると、年齢階級別の1人当たりの医療費は、年齢が高くなるにつれて増加傾向がみられます。
【図表2】
年齢 | 医療費計 |
---|---|
30~34歳 | 12万1000円 |
60~64歳 | 37万5000円 |
65~69歳 | 47万2000円 |
70~74歳 | 60万7000円 |
75~79歳 | 78万3000円 |
80~84歳 | 93万5000円 |
85~89歳 | 106万7000円 |
出典:厚生労働省 医療保険に関する基礎資料~令和元年度の医療費等の状況~
60~64歳の医療費計は37万5000円ですが、85歳を超えると106万7000円と100万円を超えるようになります。参考として、30~34歳の医療費計をみてみると12万1000円なので、約9倍も高くなることが分かります。
交際費
老後生活で増える支出のひとつに「交際費」がありますが、ここでいう交際費とは、次に挙げるもののことをいいます。
●葬儀や法事に参列するときにかかる費用
●子どもや親せきの子、孫などの結婚・出産、お年玉などにかかる費用
このなかでも、もっとも高くなりがちなのが、自分の子どもや孫にかかる費用です。ご祝儀額は年齢が高くなれば、1回につき10万円単位の支出になる可能性もあるでしょう。また、お年玉も、子どもや孫の人数が多ければ、それだけ高い出費になることが考えられます。
退職後は収入も大きく減るので、余裕をもって老後資金を貯めておいたほうが安心です。
旅行・レジャー費
子育ても落ち着いて、会社も退職したあとは、ゆっくり夫婦で旅行に行きたいと考える人も多いでしょう。家族旅行や友だちとの旅行など、老後は時間があるため、「旅行・レジャー費」は増えがちになります。
ゆとりある老後生活を過ごすためにも、旅行やレジャー費はしっかりと貯めておきたいものです。
現役時代のうちに必要な老後資金の目安を立てよう
老後資金がいくらくらい必要なのかは、その人の年収やライフスタイルなどによって変わってきます。交際費やレジャー費、旅行費などは我慢すれば費用を抑えられますが、老後生活はできるかぎり豊かに過ごしたいでしょう。
まだまだ老後なんて先の話だからと、気楽に考えていると、必要なときにまったくお金が貯まっていないなんてことも考えられます。
そうならないためにも、現役時代のうちに、必要な老後資金の目安をしっかりと立てておきましょう。そして、気負わないで気軽に少しずつ始めていけば、無理なく老後資金も貯まるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 3-2 世帯主の年齢階級別
厚生労働省 医療保険に関する基礎資料~令和元年度の医療費等の状況~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部