定年前の50代の会社員の平均貯蓄額は?老後のための目標金額達成した?
配信日: 2022.05.16
そこで今回は、50代の人の平均貯蓄額や老後に必要となる生活費などを紹介していきます。余裕ある老後を楽しむためにも、具体的な金額を理解して資金を準備しておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後の生活費はいくら必要?
厚生労働省が2021年に公表した「令和2年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は女性が87.7歳、男性が81.6歳でした。これは令和2年時点で0歳の人の平均余命であり、すでに50代の人が平均して87歳・81歳まで生きるという意味ではありませんが、便宜上この年齢まで生活が続くと仮定しましょう。
2025年より65歳定年制が義務となるため、老後資金は65歳から80~90歳近くまで、年数にして15~25年分の生活費を準備しなければならないことになります。2020年以降は新型コロナウイルスの流行で生活スタイルが大きく変わり、消費の減少が目立ったため、2019年の生活費で考えてみましょう。
総務省の「家計調査報告家計収支編2019年(令和元年)平均結果の概要」では、夫婦2人で暮らす高齢者無職世帯の1ヶ月の収入や生活費が公表されています。これによると、年金などを含めた可処分所得は20万6678円、一方の消費支出は23万9947円でした。毎月約3万3000円の赤字が出ることになり、これが15~25年続くと594~990万円の生活費を別途自分で準備する必要があります。
もっとレジャーを楽しんだり家族へ支援したりするなど余裕のある生活を送りたい場合は、さらに多くの老後資金が必要になるでしょう。もちろん、受け取れる年金額や必要な生活費は個々の世帯・地域で異なるので、定年後の収入や支出を一度細かくシミュレーションしてみることをおすすめします。
50代はどれくらい貯蓄している?
厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、50代の1世帯当たり平均貯蓄額は約1075万円でした。子育てや住宅ローンの返済などが少しずつ終わり、貯蓄に回す余裕が生まれてきたと考えられます。ただし、平均貯蓄額は実態に即しているとは言い切れません。
仮に1億円など飛びぬけて高い貯蓄の人がいると、平均値が大きく引き上げられてしまうためです。このため、実際に皆がどれくらい貯蓄しているかを知るには、平均よりも中央値を確認したほうが良いでしょう。中央値は、データを小さい順または大きい順に並べたときにちょうど真ん中に来る値のことで、突出した数値の影響を受けにくいためより実際の感覚に近い結果を得られます。
日本銀行の関連団体である金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2021年)」では、50代の2人以上世帯における金融資産保有額の中央値は800万円でした。あくまでも調査対象に限った結果ではありますが、老後資金のために着々と貯蓄を進めている様子がうかがえます。
計画的に老後資金を準備しよう!
年金などの収入だけでは定年後の生活費が不足する可能性があり、貯蓄できる現役のうちにまとまった老後資金を準備しておく必要があります。とはいえ、50代は普段の生活に加えて子どもの教育・結婚や住宅ローンの支払いなどに追われ、気付けば貯蓄できずに時間が過ぎてしまうということも珍しくありません。
周囲がどれくらい貯蓄しているか知って安心するのではなく、将来の収入や生活費を正しく把握し、自分たちに必要な老後資金を計画的に準備することが大切です。これを機に資産運用や将来設計などを見直すなど、余裕のある老後を過ごせるように行動を始めましょう。
出典
厚生労働省 令和2年(2020年)簡易生命表の概況
厚生労働省 高年齢者雇用安定法改正の概要
厚生労働省 家計調査報告家計収支編令和元年(2019年)平均結果の概要
厚生労働省 令和元年(2019年)国民生活基礎調査の概況
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部