更新日: 2022.05.18 セカンドライフ

敬老祝金っていくらもらえる? 自治体別に紹介

敬老祝金っていくらもらえる? 自治体別に紹介
以前は多くの自治体で、一定の年齢に達した人に対して「敬老祝金」が支給されていました。この敬老祝金はいくらくらい給付されるものなのでしょうか?
 
支給要件や給付額は自治体によって異なります。自治体別に給付条件や給付額を見てみましょう。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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敬老祝金とは?

さいたま市のホームページを見てみると、「高齢者に対し敬老祝金を支給することにより、敬老の意を表するとともに、長寿を祝福することを目的とする」と条例に規定されています。
 

■受給できる人とは?

さいたま市では、毎年9月15日時点で一定の年齢に達し、かつ、さいたま市内に半年以上居住していることが要件とされています。また、単に居住しているだけでなく、住民票に記載されていなければなりません。
 
一定の年齢とは、満75歳、満80歳、満85歳、満90歳、満95歳および満100歳以上です。
 

■気になる受給額は?

受給額は年齢によって異なります。具体的には、満75歳であれば5000円が、それ以上の満80歳、満85歳、満90歳、満95歳および満100歳以上であれば1万円が支給されます。
 
(出典:さいたま市 敬老祝金支給条例(※1))
 

■自治体によって条件が異なる

上記はさいたま市の例ですが、宇都宮市では、引き続き3ヶ月以上宇都宮市に在住する80歳、90歳、100歳の人に敬老祝金が支給されます。支給額は80歳の方であれば1万円、90歳は3万円、100歳の場合は10万円です。
 
(出典:宇都宮市 敬老祝金(※2))
 
また、市川市では、9月1日の時点で引き続き3ヶ月以上居住しており、住民登録をしている場合で、一定の年齢に達した人に対して敬老祝金を支給しています。該当する年齢は80歳、88歳、99歳、100歳、101歳以上で、支給額は図表1のとおりです。
 
【図表1】

図表1

101歳以上になると1万円に下がる点が特徴です。
 
(出典:市川市 ホームページ(※3))
 

敬老祝金の受け取り方法

敬老祝金を実施している自治体では、該当する人に対しておよそ2ヶ月前(7月頃)、あるいはお誕生日月などに、「申請書」もしくは「振込依頼書」などを送付しています。
 
そして、その申請書および振込依頼書に必要事項を記入し、返送しなければ受け取ることはできません。提出し忘れることのないように、郵便物はしっかりと確認するようにしましょう。
 

受給資格があった人が亡くなった場合は?

受給資格があり、その人に支給するべき敬老祝金があった場合は、亡くなった人の世帯の生計中心者、もしくは自治体の長が定めた人に対して支給されることになっています。
 

別の制度に変更されているものもある

横浜市では、以前からある敬老祝金の制度は平成18年をもって終了し、その代わりに9月の敬老月間に行事を実施しています。
 

■事業内容

横浜市では、年度内に100歳以上になる人に対し、お祝いの品やお祝い状を贈呈しています。
 
さらに、敬老の日前後には市内の施設の特別優待利用を設けています。施設の優待利用は100歳以上の人はもちろん、横浜市内に在住している65歳以上の人も対象になります。無料で利用できる施設やランドマークタワーの展望フロアを割引料金で利用できます。
 
(出典:横浜市 ホームページ(※4))
 

縮小傾向にある敬老祝金

敬老祝金を行っている自治体は存在しますが、制度の廃止、もしくは事業内容を見直す自治体も増えています。
 

■伊勢原市の事例

伊勢原市では、昨年、これまで行ってきた敬老に関する事業について、以下のとおり変更する通知を行っています。
 
1.敬老事業の助成内容変更
敬老事業の助成とは、自治会が行う敬老事業に対し一定の助成を行うものですが、昨年より、図表2のとおり変更となっています。
 
【図表2】

図表2

 
2.敬老祝金事業
伊勢原市ではこれまでも一定の年齢に達した人に対し、祝金品を贈っていましたが、その対象年齢が図表3のとおり変更となりました。
 
【図表3】
図表3

 
(出典:神奈川県伊勢原市 敬老事業助成・敬老祝金品事業の対象年齢などの変更について(※5))
 

まとめ

敬老祝金は、その地域に住んでいる一定の年齢に達した人に対して支給されていましたが、高齢化が進むにつれ、対象年齢の見直しや支給額の見直しが進められています。ただこれは、単に事業を縮小するのではなく、事業の内容を見直すことによって、高齢者に対する福祉事業を強化する目的があります。
 
高齢者向けの介護タクシー利用の助成や、介護が必要になった際の自宅改修費用の助成などの要件を見直すことで、より多くの人が支援を受けられるようになっている自治体もあり、こうした点は評価すべきではないでしょうか。
 
高齢者福祉における事業内容は、自治体によって異なります。お住まいの自治体がどのような高齢者福祉事業を行っているか、一度確認してみてもよいかもしれません。
 

出典

(※1)さいたま市 敬老祝金支給条例(平成13年5月1日)
(※2)宇都宮市 敬老祝金
(※3)市川市 ホームページ
(※4)横浜市 ホームページ
(※5)神奈川県伊勢原市 敬老事業助成・敬老祝金品事業の対象年齢などの変更について(公開日 2021年6月15日)
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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