更新日: 2022.05.20 その他老後

持ち家を売却後も住み続けられる「リースバック」。世間の認知度や印象は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

持ち家を売却後も住み続けられる「リースバック」。世間の認知度や印象は?
住宅ローンの返済に困ったり、老後の資金が必要になったりした際、持ち家を売って現金化するという手段があります。しかし、そのまま住み慣れた家で暮らしたいと考える人も少なくないでしょう。その方法のひとつが「リースバック」です。
 
売却することでまとまった資金が調達できるだけでなく、固定資産税などの税金や火災保険費、修繕費などの負担がなくなるなどのメリットもあります。このリースバックの仕組みは、世間にどれくらい知られているのでしょうか。
 
株式会社リアルエステート(本社:大阪府大阪市)が発表した調査結果(※)をみてみましょう。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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リースバックってどれだけ知られている?どんなイメージ?

この調査は、持ち家を所有している全国40歳以上の男女1036人を対象に行われたものですが、リースバックについての認知度をみてみると「よく知っている」(3.9%)「少しは知っている」(24.5%)に比べて、「全く知らない」(48.7%)が半分近く。
 
「ご自身を含めて、周囲にリースバックを利用した方はいますか?」という質問についても、「はい」が4.5%、「いいえ」が95.5%と、利用している人の方が圧倒的に少ないようです。
 
つまりは、「関係ない人にはまったく関係ない」のがリースバックなのですね。したがって、「リースバックのイメージ」についても「分からない」という答えが62.6%に上ります。
 
それでも、具体的にどのような印象があるかを聞いてみると、次のような答えが並びました。

・家を売ってそのまま住める 54.6%
・まとまった資金が手に入る 26.8%
・借金せずに資金調達できる 19.0%
・売却した家を買い戻せる場合もある 14.9%
・税金や修繕費といったコストやリスクがなくなる 14.5%
・現金化まで比較的早い 12.4%
・ローン返済が不安定な場合の打開策となる 10.9%

半数以上の人が「持ち家を売却後もそのまま住める」ということを挙げています。確かにこれは、リースバックの最も大きな特長といえるでしょう。そのほか、まとまった資金が手に入る、借金をせずに資金を調達できる、といったメリットも、そこそこ認識されているようです。
 
リースバックにはデメリットもあります。リースバックのイメージとして「これは違うだろう」と思われていることはどんなものがあるのでしょうか。

・将来ずっと住み続けられるとは限らない 29.6%
・売却価格は一般相場より安いことが多い 20.8%
・賃貸契約の更新を拒否されて退去しなければならないことがある 15.6%
・買取額や家賃は業者によって幅がある 15.4%
・売却金額がローンの残債を下回る場合は利用できない 14.6%
・全て正しい 26.5%
・その他 7.4%

上記は全てありえること。ただ、3割ほどの人は「将来ずっと住み続けられる」と思っていることが分かります。
 
普通賃貸借契約ができれば長く住むことも可能ですが、リースバック事業者によっては定期借家契約しかできないこともあるようで、できる限り長く住みたい場合は、事業者選びも重要になりそうです。
 

リースバックの利用意欲は? やっぱり売却額にこだわりたい!

さまざまな理由で自宅を売らざるを得なくなったとき、リースバックを選択しようと思っている人はどれくらいいるのでしょうか。

・積極的に利用したい 3.1%
・ある程度は利用したい 13.3%
・検討はしたい 36.7%
・利用したくない 46.9%

利用したくないという人は半数を切りました。半数以上の人は、利用・検討の意欲があるようです。
 
利用・検討の意欲がある人たちは、具体的にどのような状況を想定しているのかという質問に対しては、「老後の生活費にしたいとき」(43.3%)と半数近くの人が、老後の資金と回答しています。次は「急にまとまった資金が必要になったとき」(28.0%)という答えが多かったようです。
 
具体的には、「子どもがいないので、自分たちで資産を処理したい」「まとまった資金は欲しいが、気に入ってる家なので住み続けたいから」「将来子どもが家を相続しない場合の後始末を考えて」「老後資金が足りないかもしれないので」といった声があがりました。
 
そのほかの質問項目では、「リースバックを利用することになった際のこだわり」を聞いており、やはり「できるだけ売却額が高い」(50.7%)「できるだけ家賃が安い」 (42.3%)とお金に関することがツートップとなりました。なんにせよ資金を調達するためのものですから、「売却額が高い」「でも家賃が安い」に越したことはありません。多くの人が金額面をポイントとしてあげています。
 
また、3割程度の人がトラブルについて気にしている模様。リースバック事業者もさまざまですから、実績や知名度があり、自分が信頼できると思える事業者と巡りあえるよう、比較検討してみることが大切といえます。
 
今の家に住み続けながら資産を整理したいという人は、リースバックを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
 

出典

株式会社リアルエステート リースバックの認知度・イメージ調査実施
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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