更新日: 2022.05.23 セカンドライフ

話題のFIREは快適生活? 失敗しないための心得とは

話題のFIREは快適生活? 失敗しないための心得とは
近年、経済的自立として注目されているFIRE(ファイア)をご存じですか?
 
FIREは、 金銭的に安心して暮らすことができるといわれていますが、場合によっては失敗してしまうこともあります。
 
本記事では、FIREで失敗しがちな落とし穴と対策を紹介します。これからFIREを目指す人は、参考にしてください。
丸山希

執筆者:丸山希(まるやま のぞみ)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

FIREとは

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字から由来しており、経済的自立(FI)や早期リタイア(RE)を実現させた生活を意味しています。会社の定年退職を待たず、資産運用をしながら自由な働き方、生き方をするのが特徴です。
 
最近では、FIREを目的として働く人も多く、中には収入の多くをFIRE資金として資産運用に充てる人も少なくありません。
 
なお、アメリカのトリニティ大学の研究によると、FIRE後は、資産が目減りすることがないよう、総資産の4%未満を生活費として取り崩すことが推奨されています。
 

FIRE後に失敗してしまいがちな2つの落とし穴

経済的に自立できるまでの資産を用意し、早期リタイアを果たせても、FIRE後に資金が足りなくなり失敗することがあります。
 
一体、どのような場合にFIRE失敗となるのでしょうか? 具体的に2つの落とし穴を解説します。
 

想定していた運用利回りを下回った場合

FIREを前提とした資産運用では、株式市場全体の平均リターンを望める「インデックス運用」が推奨されています。
 
金融庁のつみたてNISAについての紹介では、20年間長期的にインデックス運用した場合、4~6%の運用成果を出した年が全期間の50%以上になっています。
 
4~6%の運用成果はあくまで過去の統計結果であるため、今後の運用成果が確約されているわけではありません。
 
実際の利回りが4%を下回り、さらに生活費が4%以上となった場合は、手元資金が減少していくでしょう。
 
運用利回りが良くなかった期間でも生活していけるよう、余裕のある資産を用意してFIREしてください。
 

物価の上昇による生活費の高騰

FIREするための準備資金は、毎月の支出を基に年間支出を割り出し計算されます。具体的に試算する主な支出は次の通りです。

●住居費
●光熱費
●食費
●保険
●税金
●娯楽費

これらの項目は、FIRE前に計算しているものであるため、FIRE後に変動する可能性があります。
 
今後の日本では、インフレが加速していく見込みです。それに伴い、すでに食材やガソリン、光熱費なども相次いで値上がりしています。
 
物価が上昇すると、必然的に支出が増えていきます。支出が増えることで、FIRE後に取り崩す資金が増えてしまう可能性も視野に入れておきましょう。
 
また、定期的に支出を見直す必要もあります。
 

落とし穴に気をつけて快適なFIRE生活を実現しましょう

自分らしい生き方が尊重されるようになった現代では、FIREにより、多様な生活が浸透しつつあります。
 
経済的な自立は精神的に安定しやすく、若くしてFIREを実現することも珍しくないかもしれません。
 
しかし、FIREは、想定していた運用益が得られなかった場合や物価の上昇によって、失敗するリスクがあることも知っておく必要があります。
 
自身の生活と照らし合わせて、FIREを目指してみてください。
 

出典

金融庁 つみたてNISA早わかりガイドブック
 
執筆者:丸山希
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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