更新日: 2022.05.23 介護

要支援1の介護認定者が受けられるサービスは?

執筆者 : 宮本建一

要支援1の介護認定者が受けられるサービスは?
市町村による要介護認定を受け、要支援1と認定された場合、受けられるサービスはほかの要介護1〜5の認定者と比べて限定的です。
 
訪問介護、通所介護、そのほか、どのようなサービスを受けることができるのかについて説明します。
宮本建一

執筆者:宮本建一()

2級ファイナンシャルプランニング技能士

要支援1とは?

要支援1とは、住んでいる市区町村の認定調査員の調査によって自立、要支援1〜2、要介護1〜5の8段階に認定される要介護認定で、比較的軽いとされる介護度合いです。
 

要介護認定の実施で8段階に認定

介護サービスを受けるためには、要介護度認定される必要があります。
 
住んでいる市町村に連絡して要介護認定を申請し、派遣された認定調査員により、要介護認定調査が実施されます。
 
基本調査や申請者の心身をチェックし、主治医の意見書をもとに、一次判定、二次判定を行います。結果をもとに申請者は、自立、要支援1〜2、要介護1〜5に要介護認定される仕組みです。
 

要支援1の状況とはどんな状況?

自立を除くと、要支援1〜2、要介護1〜5の7段階がありますが、要支援1とはどの程度の要介護度合いなのでしょうか。
 
厚生労働省は具体的に要介護認定の基準となる時間を示しています。
 
洗顔、洗髪、入浴や洗濯、掃除など次の5分野について要介護認定等基準時間を算出し、認知症加算をもとに、要支援1から要介護5を判定しています。
 
・直接生活介助
例:洗顔、洗髪、入浴、排泄、食事、移動など
 
・間接生活介助
例:洗濯、掃除、食事の準備・後始末など
 
・問題行動関連行為
例:不潔行為への対応、徘徊老人への対応・探索、暴力行為への対応など
 
・機能訓練関連行為
例:寝返り訓練、起き上がり訓練、座位訓練、立ち上がり訓練など
 
・医療関連行為
例:褥瘡(じゅくそう)の処置、酸素療法の管理などの特別な医療、浣腸、座薬の挿入など
 
厚生労働省では、要介護認定について図表1のように示されています。
 
図表1

要介護認定等基準時間
(これに相応すると認められる状態も含む)
自立 25分未満
要支援1 25分以上32分未満
要支援2 32分以上50分未満
要介護1
要介護2 50分以上70分未満
要介護3 70分以上90分未満
要介護4 90分以上110分未満
要介護5 10分以上

厚生労働省 要介護認定はどのように行われるか より作者作成
 
要支援1の状態では要介護になる手前であり、洗顔、洗髪、入浴、また洗濯、掃除、食事の準備において、時間が若干かかるものの、介助があれば自立して生活できるレベルです。
 

要支援1が受けられるサービスは?

要介護認定者が介護保険の範囲内で、1ヶ月あたりに受けられるサービスは図表2の通りです。
 
図表2

要介護度 支給限度基準額(1ヶ月あたり)
自立 0円
要支援1 5万320円
要支援2 10万5310円
要介護1 16万7650円
要介護2 19万7050円
要介護3 27万480円
要介護4 30万9380円
要介護5 36万2170円

厚生労働省 2019年度介護報酬改定について より作者作成
 
要支援1の認定者は月額5万320円を限度として、介護サービスを受けることができます。図表3は要支援1で受けられる介護サービスの一覧です。
 
図表3

サービス 種類 サービス内容
介護予防サービス 訪問 ・介護予防訪問入浴
・介護予防訪問看護
・介護予防訪問リハビリテーション
・介護予防居宅療養管理指導
通所 ・介護予防通所リハビリテーション(デイケア)
宿泊型 ・介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
・介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
施設入居型 ・介護予防特定施設入居者生活介護
福祉用具や住宅改修 ・介護予防福祉用具貸与
・特定介護予防福祉用具販売
・住宅改修
地域密着型介護予防サービス 通所 ・介護予防認知症対応型デイサービス
訪問 ・訪問型サービス(ホームヘルパー)
多機能型 ・介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防生活支援サービス事業 訪問 ・訪問型サービス(ホームヘルパー)
通所 ・通所型サービス(デイサービス)

 
利用する際は上限金額に応じて、ケアマネージャに相談し、自立に向けたケアプランを作成してもらうことをおすすめします。
 

まとめ

要支援1は、要介護認定の中で比較的軽い介護認定度合いです。介護サービスを上手に利用すれば、自立することも可能です。
 
要支援1と認定された場合は、積極的に介護サービスを利用することをおすすめします。
 

出典

e-Gov法令検索 介護保険法
厚生労働省 要介護認定はどのように行われるか
厚生労働省 2019年度介護報酬改定について
 
執筆者:宮本建一
2級ファイナンシャルプランニング技能士