更新日: 2022.05.24 介護

老後にかかる介護費用はどれくらい? 年金だけで足りる

老後にかかる介護費用はどれくらい? 年金だけで足りる
「老後に介護費用はどれくらいかかるのだろう?」
「支給される年金だけで介護費用は足りるのだろうか?」
将来的にかかる介護費用について不安や疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
 
結論からいうと、支給される年金だけでは介護費用を確保できない可能性があります。そこで、老後に備えて貯蓄をしたり、厚生年金に加入できる仕事に就いたりするなど、老後資金を確保するための行動を取り入れてください。
 
当記事では、1ヶ月あたりにかかる介護費用の平均金額をはじめ、介護施設と有料老人ホームの種類別費用相場、年金受給額の平均などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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1ヶ月あたりの介護費用平均は8万3000円

生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉」によると、1ヶ月あたりの介護費用平均は月額8万3000円でした。この金額には公的介護保険サービスの自己負担を含む金額で、前回調査時の月額7万8000円より5000円も増えています。
 
また、住宅改造や介護用ベッドの購入といった一時費用の合計額平均は74万円で、こちらも前回調査時の69万円を上回る結果です。
 
介護を行った期間の平均は61.1カ月(5年1ヶ月)で、同調査の介護期間分布を見ても一番多かったのが4~10年未満の31.5%、10年以上は17.6%です。介護期間は長期間にわたる可能性が高く、まとまった介護費用を確保、用意する必要があるといえるでしょう。
 

介護老人福祉施設の利用でも月額10万円はかかる?

老後は、介護施設や有料老人ホームのお世話になりたいと考える人もいるかもしれませんが、かかる費用は比較的高額です。
 
介護施設や有料老人ホームには図表1のように、公的施設、民間施設があります。
 
【図表1】

施設の種類
公的施設 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人保健施設(老健)
介護療養型医療施設
ケアハウス
民間施設 介護付有料老人ホーム
住宅型有料老人ホーム
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
グループホーム

 
この中でも自己負担額が低いのは、公的施設の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)です。
 
しかし、厚生労働省の介護サービス情報公表システムによると、最もケアやサポートが必要な状態の要介護5の人が、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)を利用した場合、1ヶ月の費用相場は、個室利用なら約10万2200円、多床室(相部屋)利用なら約13万9500円となっています。
 
もしも民間施設を利用する場合は、初期費用などが発生するため、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)よりもさらに高額になる可能性が高いといえるでしょう。
 

公的年金だけでは介護費用が足りなくなる可能性が高い

介護費用月額平均は8万3000円という結果が出ていますが、将来的に支給される公的年金だけでは、費用捻出が難しい可能性が高いです。
 
なぜなら、厚生年金受給者の平均受給額は月額14万6145円、国民年金受給額平均は月額5万6358円という結果が出ているからです。受給できる公的年金が国民年金だけの人になると、受給額平均よりも介護費用月額平均の方が上回ってしまいます。
 
まとまった貯蓄があったり、老後も給与や不動産などで収入などがあったりすれば、公的年金だけに頼らず介護費用を確保できるかもしれません。しかし、十分な貯蓄や収入を見込めない人は、自分が受給できる公的年金の金額を事前に把握して、介護費用を用意できるように早いうちから資金計画を立てておいてください。
 

介護費用も含めて老後について計画しておくことが大切

介護費用平均は月額8万3000円、住宅改造や介護用ベッドの購入といった一時費用の合計額平均は74万円となり、比較的負担額が大きいことが分かりました。また、介護期間は平均して61.1ヶ月(5年1ヶ月)という調査結果が出ているものの、状況によって、実際には何年間になるのかは事前に把握できません。
 
「介護費用の捻出が難しい」「家族に介護費用を負担してもらわなくてはならない」となる前に、老後資金について早いうちに関心を持ったり、計画的にお金を貯めたりするのが重要です。
 

出典

厚生労働省年金局 令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
公益団体法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉
厚生労働省 介護サービス情報公表システム 介護保険の解説より サービスにかかる利用料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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