定年退職後にも失業保険を受け取れるって本当? その条件は?

配信日: 2022.05.29

この記事は約 4 分で読めます。
定年退職後にも失業保険を受け取れるって本当? その条件は?
定年退職を予定・検討しているけど、定年退職した後、本当に失業保険を受け取れるのか疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。
 
失業保険とは、失業手当、失業給付とも呼ばれていますが、雇用保険(基本手当)のことです。定年退職した場合でも、一定の条件に当てはまっている人であれば、所定の手続きを行うことで失業保険を受け取れます。
 
本記事では、定年退職者が失業保険を受け取る条件や、失業保険の申請手順などを紹介します。
 
近いうちに定年退職を予定・検討している人は、ぜひご一読ください。

>>> 【動画で見る】定年退職後にも失業保険を受け取れるって本当? その条件は?

FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

定年退職者が失業保険を受け取る条件

定年退職した人も雇用保険の基本手当、つまり失業保険を受給できますが、誰でもが受給できるわけではなく、いくつか条件を満たす必要があります。
 
では、受給期間や受給のために必要な手続きなど、定年退職者が失業保険を受け取るための条件とはどういったものなのでしょうか?

 

失業保険は定年退職者を含める失業者が受け取れる

失業保険は、会社などで雇用されていた人が離職したときに「失業中の生活を心配せず、再就職活動に充てられるように」という目的で給付されます。失業保険を受け取るための条件は下記のとおりです。
 

・失業中で再就職の意思がある
・被保険者期間が、離職の日以前2年間で通算して12ヶ月以上ある

 
失業保険を受給できる失業者には定年退職者も含まれています。ただし、定年退職する年齢が65歳未満でなければなりません。65歳以上の雇用保険被保険者は「高年齢被保険者」となるためです。
 
また、定年退職者の給付日数は被保険者であった期間によって異なり、原則として90~150日です。

 

定年退職後に失業保険の受給期間を延長できる場合もある

失業保険は、受給期間中に失業保険を受け取らなければ、給付日数が残っていても受け取れなくなってしまいます。
 
定年退職の場合、原則として失業保険の受給期間は離職した日の翌日から1年間で、この間に一定の日数分、失業保険が支給されます。
 
ただし60歳以上の定年退職者なら、離職日の翌日から2ヶ月以内に、1年を限度に就職を希望しない期間を申し出ることが可能です。申し出た期間分、受給期間が延長されます。
 
受給期間を延長したければ、離職日の翌日から起算して2ヶ月以内に、下記の書類を公共職業安定所に提出してください。
 

・受給期間延長申請書
・離職票

 
定年退職後、勉強などでしばらく仕事をしない状態でいたいなら、この制度を活用するとよいいでしょう。

 

高年齢求職者給付金の受給条件

65歳以上の雇用保険被保険者(高年齢被保険者)は、公的年金を受給しながら高年齢求職者給付金を受給可能です。高年齢求職者給付金は、下記の条件の人が受け取れます。
 

・65歳以上で退職
・被保険者期間が、離職の日以前1年間で通算6ヶ月以上ある
・就職の意思があるが失業中

 
ただし、支給日数は30~50日と、65歳未満で定年退職する場合の失業保険に比べて少ないです。退職時期を決める際の参考にしてください。

 

失業保険を受け取るための給与の基準

失業保険の基本手当は、退職前の賃金日額によって異なります。最高で賃金の80%が支給されますが上限もあり、離職前の賃金より低くなる点は理解しておきましょう。年齢別の雇用保険基本手当日額の上限額は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

離職時の年齢 上限額
29歳以下 6760円
30~44歳 7510円
45~59歳 8265円
60~64歳 7096円

 
基本手当日額の下限額は、年齢に関係なく2061円です。

 

失業給付の申請手順

定年退職後に雇用保険の失業保険を受け取るには、手続きが必要です。ここでは、失業保険を受給するために必要な書類や手続きの手順を簡単に紹介します。
 

  • 1.住所地を管轄するハローワークで求職申し込みをし、会社から受け取った離職票を提出
  • 2.受給資格確認後、受給説明会の日時が通知される
  • 3.雇用保険制度について説明を受け、「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」を受け取る
  • 4.失業認定日の通知を受ける
  • 5.求職活動をする

 
4週間に一度、失業の認定が行われますので、積極的に求職活動を行いましょう。

 

定年退職後はすぐに失業保険を受け取れる! 受給しながら新しい人生の準備を始めましょう

長年同じ会社で働き続けたなら、定年退職した後はすぐには働かずに、少しゆっくりしたいと考える人は多いかもしれません。定年退職後は、求職活動中であれば雇用保険の失業保険を受給できますので、受給しながら今後のことを考えるのがおすすめです。
 
65歳以上の雇用保険の被保険者が受け取れる、高年齢求職者給付金もありますが、一般の定年退職に比べると受給期間は短いので注意してください。
 
勉強などに時間を充てたければ、手続きすれば受給期間を先延ばしにできます。今後のことをゆっくり考えて、うまく制度を利用しながら定年退職後の時間を使っていきましょう。

 

出典

ハローワーク よくあるご質問(雇用保険について)
厚生労働省 雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和3年8月1日から~
ハローワーク 雇用保険手続きのご案内
厚生労働省 ハローワーク 離職されたみなさまへ <高年齢求職者給付金のご案内>
ハローワーク 基本手当の所定給付日数
ハローワーク 基本手当について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集