更新日: 2022.06.16 老後

家族内でも切り出しにくい「終活問題」。親と子の意識の差がある対策と行うメリットについて

家族内でも切り出しにくい「終活問題」。親と子の意識の差がある対策と行うメリットについて
親が高齢になってくると、終活を考え始める人もいるでしょう。親自身が終活を考える場合もあれば、子が考える場合もあります。
 
ただし、親が自発的に終活を考える場合は少なく、終活に対する意識は親子に差があります。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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終活を行っている人は70歳以上でも4割未満

終活を行っている人の割合は少ないです。NTTファイナンスが2021年11月に実施した「50代以降における終活に関する実態調査2021」によると、終活を行っている人の割合は以下の通りでした。
 

【継続的に終活を行っている人の割合】

50歳~54歳:12.9%
55歳~59歳:12.8%
60歳~64歳:16.4%
65歳~69歳:22.5%
70歳以上:35.6%

 
子としては親が自発的に終活をしてくれるのが望ましいですが、実際には過半数が全く行動していない現状がうかがえます。
 

親子の終活に対する認識の違い

親子で終活に対する認識も異なります。親にとっての終活は充実した人生を送るための活動であるのに対し、子にとっての終活は親の人生の終わりに向けた準備をする活動です。
 
親子の終活に対する認識の違いは、終活に対する優先順位にも影響します。鎌倉新書が2017年12月に発表した「自身の終活に関する意識調査」と、2018年11月に発表した「親の終活に関する意識調査」の中で、取り組みたい終活について比較すると、特に以下5つの項目について親子で認識差が大きいことがわかりました。
 

【親は優先順位を低く考えがちだが、子は関心が高い終活の項目ベスト5】

葬式:子72.4% 親13.5%
財産の整理:子71.9% 親31.0%
お墓:子71.5% 親7.3% 
生きた証を残す:子46.0% 親13.1%
家系図の作成:子36.5% 親6.2%

 
親は、「あとのことは子が好きなようにすればいい」という考え方になりやすく、葬式やお墓については関心が薄いことがうかがえます。
 
また、親が元気なうちに終活について話すのは気が引けるという人もいるでしょう。実際に、株式会社エス・エム・エスが2019年12月19日に公表した「親の終活に関する意識調査」の結果によれば、子が親と終活について話し合っていない理由の1位が「切り出しにくい・話しにくい」となっています。
 

終活を行うメリット

子にとっては切り出しにくい終活ですが、終活を行うメリットは親子双方にあります。
 

親にとってのメリット

自身が抱えている不安の解消につながります。子へ遺す財産や私物に対する不安については、子と話し合うことで解消できます。残りの人生を心置きなく過ごすことにもつながるでしょう。
 

子にとってのメリット

相続対策ができ、余計な出費をせずに済みます。親が亡くなったときに子が親の遺産を把握していない場合、相続財産を調査しなければいけません。相続財産の調査には以下2種類の公的書類が必要な上に、書類の発行費用や手間もかかります。
 

【相続財産の調査に必要な書類】

被相続人の死亡を証する戸(除)籍謄本
請求者が相続人であることを証する戸籍謄本

 
また、相続財産に不動産が含まれる場合や借金がある場合の調査は容易ではなく、公的書類の専門家である司法書士への依頼も必要になるでしょう。専門家への依頼費用は個々の事情により異なりますが、10~20万円程度はかかります。
 
複数の子がいる場合は、遺産分割協議がまとまらず争いに発展すると、弁護士に依頼しなければいけません。弁護士に遺産分割調停を依頼する場合、個々の事情により異なりますが、1億円の遺産に対して150万円程度の弁護士費用がかかります。
 
終活を行っておけば、事前に争いなく財産分与について話し合うことができ、余計な費用を払わずに済みます。
 

終活は親が元気なうちに家族みんなで備えよう!

終活は、親子が将来の不安なく生活していくために必要です。子にとっては切り出しづらく、親にとっては考えたくない面もあると思いますが、家族みんなのためにしっかり話し合い、もしものときに慌てないように備えましょう。
 

出典

NTTファイナンス株式会社 50代以降における終活に関する実態調査2021
鎌倉新書 【終活】【終活に関する親子の意識比較】 終活は「より充実した人生を送るため」の親 VS 終活は「人生の終わりの準備」の子ども。 年末年始は親子で終活を始めるタイミングに
株式会社エス・エム・エス 親の終活に関する意識調査
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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