親が認知症になった?そのようなときに備えて知っておきたい3つのこと

配信日: 2022.06.18

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親が認知症になった?そのようなときに備えて知っておきたい3つのこと
アラフォー・アラフィフ世代であれば、親のふとした言動に「もしかして認知症? 」と思ったことはありませんか。今回は、そのようなときに備えて知っておきたい3つのことについて、見ていきましょう。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

どういったときに親が認知症かも、と思いましたか

どういった親の行動に「もしかして、認知症? 」と思いましたか、と質問すると、多くの人が次のような話をされます。

●料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
●慣れた道でも迷うことが出てきた
●場所・日時が分からないと言う
●「このごろ様子がおかしい」と近所の人から言われた
●ひとりになると怖い、寂しいと言うようになった
●身だしなみをかまわなくなった など

もちろん、このような症状は他の病気の疑いもありますが、このようなささいなことから気づきがあります。このように「親が認知症かも」となる前に、知っておきたい3つのことについて、お話していきます。
 

1、受診の大切さ

当たり前の話ですが、まずは医療機関を受診することです。ただ、親を医療機関に連れていくのは大変なことです。「最近お父さん(お母さん)の言動がおかしいから、認知症かも。一緒に病院行こう。」と言って素直に「行こう。」という親は少ないです。親が頑固な性格であればなおさらです。
 
認知症は発症すると、症状の進行を抑える薬はあるけれど、治療薬はないと言われています。しかしながら、実際のところは「治せる認知症」と「治せない認知症」があります。つまり、他の病気が原因となって起こる認知症は、元となっている病気を治療すれば治せる、ということです。そのため、医療機関を早期に受診し、早期に治療を始めることが望ましいのです(※)。
 

2、現在のお金の状況を整理

次に大切なのは、親だけではなく、家族全員のお金の状況を整理することです。

●預貯金残高
●加入保険の保障内容の確認
●金融資産の残高確認

一覧表で管理しておくのが分かりやすいので、作成した日付(例:2022年6月1日作成分)を記入しておくことをお勧めします。
 
作っておくと、必要な医療費や入院費、介護に必要なお金を考えるときに役立ちます。これは、認知症だけではなく万一の事故や病気のときにも役立ちます。一度作っておくとその後は更新を繰り返すだけなので、楽にお金の状況を管理できます。
 

3、医療機関との打ち合わせ

最後に一番大切なことは、医療機関と今後のことをしっかり打ち合わせることです。そのときに、2で作った一覧表を持参することも大切です。認知症をはじめ、ガンと診断されたときや大きな事故に遭遇したときなどには、病院と今後の治療方法等の話し合いが何度となく繰り返されます。
 
その際に、自分がお金をいくらまでなら支出できるのか、ということを医療機関にも伝え、そのことも踏まえたうえで、治療方法等を決定していくことが大切です。
 

親とのコミュニケーションが何よりの備え

認知症に限らず、親とのコミュニケーションをとることで、親の異変に気づくことができます。気づくことができると、次の行動を考えることができます。
 
認知症であっても早期発見であれば進行を遅らせることができるかもしれません。さらに、別の病気が原因で発症している認知症であれば、完治することもあるかもしれません。何より大切なのは、「早期発見」です。そのためにも、日ごろから、親とのコミュニケーションをしっかりとり、小さな変化に気づくようにしましょう。
 

出典

(※)全日本民医連 認知症Q&A 第7回 「薬で認知症は治りますか? 」症状の改善や進行予防に効果 お答え 大場敏明さん(医師)
厚生労働省 認知症に関する相談先
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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