更新日: 2022.06.24 老後

夫婦2人がゆとりのある老後を過ごすために必要な資金はどれくらい?

夫婦2人がゆとりのある老後を過ごすために必要な資金はどれくらい?
年金だけで生活している高齢者世帯もありますが、少しでもゆとりある老後生活を送るためには資産形成が欠かせません。そこで本記事では、夫婦2人世帯でゆとりある老後生活を送ろうとした場合、どのぐらいの資金が必要となるのかを解説していきます。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

ゆとりある老後生活に必要な生活費は月額36万1000円

公益財団法人生命保険文化センターが2019年度に行った「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人で生活するうえで最低限必要な「最低日常生活費」の平均は月額22万1000円、「ゆとりある老後生活費」の平均は月額36万1000円でした。
 
「最低日常生活費」と「ゆとりある老後生活費」の差額は月額14万円で、その使い道としては旅行やレジャー、趣味や教養と答えた人が半数を超えました。なお、ゆとりある老後生活に必要な金額は年間433万2000円で、この額は日本人の世帯年収の中央値である437万円と大きくは変わりません。
 

年金だけでは1ヶ月14万円足りない

総務省統計局が発表した「家計調査報告〔家計収支編〕 2021年(令和3年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職世帯の世帯収入は、世帯主の年齢が65~69歳で月額27万1086円、70~74歳で24万8556円、75歳以上の世帯で23万9876円でした。
 
可処分所得も世帯主の年齢が上がるごとに少なくなり、75歳以上の世帯だと21万509円となっています。なお、老齢基礎年金の額は物価の変動などを踏まえて、毎年見直しが行われています。2022年度は満額で月額6万4816円となっていて、2021年度と比べると1ヶ月あたり259円低くなっています。
 
また、日本年金機構が公表している、夫(妻)が40年間平均的な収入で会社員として働き、妻(夫)が夫(妻)の扶養家族になっているモデルケースでは、1ヶ月に受け取れる厚生年金額は21万9593円です。こちらも2021年度の平均額より1ヶ月あたり903円減っています。
 
「ゆとりある老後生活費」の平均月額36万1000円と、平均的な厚生年金の収入月額21万9593円では14万1407円の差があり、「最低日常生活費」の平均である22万1000円よりも1407円少ない結果となりました。
 
このように、ゆとりのある老後生活を送るためには、年金額だけだと1ヶ月あたり約14万円、1年で168万円足りないことが分かっています。
 

老後30年で5040万円が必要になる

2020年の日本人の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳で2019年よりも延びています。仮に夫婦ともに85歳まで生きた場合、ゆとりある老後生活を送るためには、年金とは別に168万円×(85歳-65歳)=3360万円を用意しなければなりません。さらに、95歳まで生きた場合には5040万円が必要です。
 
2019年に老後2000万円問題が話題になりましたが、この2000万円は、夫65歳以上・妻60歳以上の無職夫婦の収入月額20万9000円に対して支出が月26万4000円で、これを20~30年間で約1320~1980万円の赤字になるという厚生労働省の試算からなるものです。
 
ゆとりある老後を送るためにはそれを上回る資産が必要だということが分かります。ちなみに、厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯のおよそ80%が、貯蓄があると回答、その平均額は1213万2000円で、3000万円以上あると答えた世帯は約10%です。
 

老後20年で3360万円、30年で5040万円が必要

夫婦2人がゆとりある老後生活を送るには、年金とは別に1年で168万円必要です。65歳から20年生きた場合には3360万円、30年生きた場合には5040万円の資産を用意しなければなりません。
 
ゆとりある老後生活を送るためには日本人の世帯年収の中央値に近い額のお金が必要ですが、高齢者世帯で3000万円以上の貯蓄があるのは約10%にとどまります。このことから、早いうちから老後に向けた資産形成をしていくことが大切になるでしょう。
 

出典

公益財団法人生命保険文化センター 令和元年度 生活保障に関する調査

総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2021年(令和3年)平均結果の概要(p17)
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和2年簡易生命表の概況
厚生労働省 2019年国民生活基礎調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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