【要注意!?】「老後は平屋で」安易な建築検討に潜むリスクについて

配信日: 2022.06.28

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【要注意!?】「老後は平屋で」安易な建築検討に潜むリスクについて
老後は新しい住宅を建てて快適に過ごしたい。そのような希望を持っていらっしゃる方は多いはずです。
 
事実、平屋は人気の建築タイプになってきており、日本全国の一戸建てに占める割合は年々増加しています。平屋は階段の上り下りがないため、老後も住みやすいと思われており少子高齢化時代に合った建物ともいえます。
 
しかし、平屋にもデメリットは存在するのです。平屋のメリットに加え、主なデメリットも生活面と費用面に分けて紹介しますので、「将来平屋を」とお考えの方はぜひ建築計画に役立ててくだい。
八木友之

執筆者:八木友之(やぎ ともゆき)

宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

平屋建築のメリット

平屋建築のメリットは何といっても上下階の移動がないことです。高齢者にとって2階を使わずに生活することは、足腰の負担軽減や事故の危険性を防ぐことにもつながります。
 
また、上階のベランダに洗濯物を干すという作業もありませんし、上階の掃除のために重い掃除機を抱えて階段を上ることもありません。そのため、上り下りしていた家事動線が1階のみになります。
 

平屋建築のデメリット・生活面

平屋建築のデメリットを生活面から見ていきましょう。
 

日当たりが悪くなりやすい

コンパクトな平屋ならよいのですが、2階建ての延べ面積に相当する1階面積を建築する場合、特に日当たりには注意が必要です。本来2階に作るはずだった居室を1階に置くので、窓の数が2階建てのときより減ってしまいます。
 
また、平屋は近隣の建築物の影の影響を受けやすいという欠点もあります。隣に2階建てが建築されると、場合によっては全く日が当たらなくなることもあるのです。
 

防犯面で気が抜けない

2階の窓なら開けておくこともできるかもしれませんが、1階の窓を開けっ放しにしておくことはできません。
 

一部の災害に弱い

地震や台風などの災害には強い平屋ですが、洪水、津波には弱い面があります。洪水に気づくのが遅れた場合、水位が上がっても2階がないため、逃れるところがなくなってしまいます。
 

平屋建築のデメリット・費用面

次は、平屋建築のデメリットを費用面から見ていきましょう。
 

建築費用の増加

建物が上方向に建てられるのではなく、縦や横に大きくなるため、屋根や基礎の面積、柱の本数が増えます。そのため、2階建てよりも建築費用が増える可能性が高くなります。
 
また、屋根が大きくなることにより外からの熱が室内に伝わりやすくなります。断熱材をしっかりと入れること、屋根の通気を工夫することなどを検討しておく必要があるでしょう。その結果、断熱工事についても費用がかさむことが考えられます。
 

土地購入費用の増加

土地は、土地面積に対する1階の床面積が、ある一定の割合以内でないと建築できないことになっています。この割合のことを建蔽率(けんぺいりつ)といいます。
 
例えば、100平方メートルの土地で、建蔽率50%とすると、建物の1階面積は50平方メートル(約15.12坪)建築が可能となります。もし、建物の1階面積として100平方メートル(約30.25坪)欲しい場合に建蔽率が同じ条件であるならば、土地面積が200平方メートル必要になります。
 
このように、平屋を建築する場合は、2階建てを建築するよりも、広い土地を購入する必要があるので、当然費用も高くなる可能性があります。
 

まとめ

平屋にはメリットやデメリットがあります。2階がないバリアフリーの平屋を建築したら生活が楽になる、という単純な考え方だけで建築してしまうと後悔することもあるでしょう。
 
老後の資金は、とても大切なものです。余計な費用を出すことのないよう、ご自身に合った住宅の建築計画を立てていきましょう。
 

出典

国土交通省 建築・住宅関係統計
 
執筆者:八木友之
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

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