更新日: 2022.06.30 介護
要支援・要介護認定者数は689.1万人。認定の有無によって異なる介護保険の金額とは
早い段階で介護に備えて老後資金の準備を始めると同時に、公的サービスの仕組みを理解しておくことが大切です。そこで今回は、介護保険サービスについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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要介護(要支援)認定者数は689.1万人
介護保険制度が整えられている日本では、65歳以上で要支援・要介護認定を受けると介護保険サービスが利用できます。要支援・要介護に該当する状態として、厚生労働省が示している基準は以下の通りです。
要支援 | 日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態 |
要介護 | 日常生活上の基本的動作についても、自分で行うことが困難であり、何らかの介護を要する状態 |
出典:厚生労働省 介護保険制度における要介護認定の仕組み
これらの条件に当てはまると認定を受けた場合、介護保険サービスを利用できる仕組みとなっています。
しかし、厚生労働省の「介護保険事業状況報告の概要(令和4年2月暫定版)」によると、2022年2月末現在での要介護(要支援)認定者数は689.1万人で、介護保険1号被保険者に対する割合は約18.8%です。介護保険被保険者のうち、実際に介護保険サービスを利用しているのは2割にも満たない結果となっています。
要介護5でも支給限度額を超えている人は約6%
介護保険サービスでは、要介護認定の段階によって支給限度額が定められています。
厚生労働省の「区分支給限度基準額について」によると、最も介護状態が重い「要介護5」でも支給限度額を超えている人は全体の5.9%です。
図表1
画像出典:厚生労働省 区分支給限度基準額について
図表1をみると、「介護が大変になるほど、公的な介護保険では足りないのではないか」と不安を感じるかもしれませんが、実際はほとんどの人が支給限度額以内に介護費用がおさまっていることが分かります。
また、図表1からは、一番軽度の「要支援1」の受給者でも、毎月の平均費用額が2万2900円となっていることが確認できます。
もしも、自己費用だけでこれらの介護資金をまかなう場合、いかに経済的負担が大きいかが分かるのではないでしょうか。
介護ステージが上がれば、さらに負担額が大きくなります。つまり、介護ではしっかりと公的サービスを活用しながら、自己負担をおさえていくことが大切となります。
介護は公的サービスを有効活用しよう
長く生きることが当たり前になった現代においては、誰もが介護資金に対する不安を抱いています。
もちろん、自分でしっかりと介護資金を準備しておくことも必要ですが、それと同時に公的なサービスを理解しておくことも必要です。利用できるサービスがあるにもかかわらず、必要以上に自己負担が大きくなっていては、経済面での不安もさらに大きくなってしまうでしょう。
高齢化社会の日本では、介護のための公的サービスがしっかりと準備されており、介護保険サービスもそのひとつです。利用できる公的サービスを前もって理解しておくことで、いざ介護状態になったときも、あわてずに対応できるでしょう。
出典
厚生労働省 介護保険制度における要介護認定の仕組み
厚生労働省 介護保険事業状況報告の概要(令和4年2月暫定版)
厚生労働省 要介護認定はどのように行われるか
厚生労働省 区分支給限度基準額について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部