更新日: 2022.07.05 老後

認知症の疑いがある行方不明者は1万7000人超…老後のリスク対策に現役から備えるべき理由

認知症の疑いがある行方不明者は1万7000人超…老後のリスク対策に現役から備えるべき理由
「老後の生活費以外に、介護費用にいくらかかるのだろう」「家族に負担をかけるのは嫌」など、お金の心配は多くの方にあるのではないでしょうか?
 
公的介護保険では賄えないお金もあるはず。こういった介護に関わる費用について解説していきます。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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増加する認知症高齢者

総務省統計局の調べ(令和3年9月15日)によると、以下のことが明らかになっています。

総人口が減少する中で、高齢者人口は3640万人と過去最多

総人口に占める割合は29.1%と過去最高

 
【図表1】

図表1

 
出典:総務省統計局 統計トピックス No.129「統計からみた我が国の高齢者」
 
図表1にあるとおり、日本の総人口(令和3年9月15日現在推計)は、前年に比べべ51万人減少していますが、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」)人口は、3640万人と、前年(3618万人)に比べ22万人増加し、過去最多となりました。
 
【図表2】
図表2

 
【図表3】
図表3

 
出典:総務省統計局 統計トピックス No.129「統計からみた我が国の高齢者」
 
図表2および3をみると、総人口に占める高齢者人口の割合は29.1%と、前年(28.8%)に比べ、0.3ポイント上昇し、過去最高となっています。
 

65歳以上の約5人に1人が認知症患者

高齢化の進展とともに、認知症患者数も増加し、「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、2025年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は18.5%、約675万人となり約5人に1人程度が認知症有病者になると推計されます。
 

介護費用はいくらかかるか

警察庁発表の「令和2年における行方不明者の状況」によると、70歳以上の行方不明者数は過去最多を更新し続けています。2020年の70歳以上の行方不明者数は2万3592人で、5年前の2016年の2万1852人より毎年増加しており、高齢者の行方不明は深刻な社会問題となっています。
 
70歳以上の高齢者の行方不明の大きな原因として、「認知症またはその疑い」が考えられています。また、認知症に至らない軽度認知障害(MCI)が原因となるケースや何らかの事件に巻き込まれて行方不明となるケースも発生しています。
 
【図表4】

図表4

 
出典:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和2年における行方不明者の状況」
 

行方不明になった場合、早期発見が重要

認知症になると、外出したものの、帰り道や行き先が分からなくなり、行方不明になってしまうことがあります。徘徊により行方不明になる高齢者は年々増加しています。
 
行方不明になる高齢者の数は、警察に届け出があったもののみを算定しているため、届け出がないものを含めれば、もっと多くの高齢者が認知症により行方不明になっている可能性があります。
 
認知症を原因に行方不明となってしまった場合、スピーディーに捜索することが大事です。理由は大きく2つあります。

(1)認知症の行方不明者の生存率は低い
(2)人をトラブルに巻き込む可能性がある

 

行方不明になることによる、さまざまななコスト

上の(1)(2)の事態が生じる前に一刻も早く行方不明者を見つけないといけません。
 
認知症を原因とする行方不明の場合は、警察に捜索願を出した場合、「命を落とす危険があるもの」として捜査員が行方不明者の捜索をしてくれるので、捜索費用はかかりません。
 
ただ、それだけでは認知症患者が見つからない場合、民間人によって捜索がされることもあります。もちろんこの場合は、実費での支払いが必要となります。また、認知症患者の徘徊を原因とする事故があれば、認知症患者が起こしたトラブルの損害賠償の矛先が遺族に向けられる可能性があります。
 
いずれにせよ、認知症による行方不明が原因で、家族は金銭・時間・精神の面でかなりのコストがかかることになります。
 

介護にかかるコスト

生命保険文化センターで、過去3年間に介護経験がある人に、どのくらい介護費用がかかったのかを調査したところ、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、

・住宅改造や介護用ベッドの購入費など一時的な費用の合計は平均74万円
・月々の費用が平均8.3万円

となりました。
 
【図表5】

図表5

 
出典:(公財)生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」2021(令和3)年度
 
これらの費用に加えて、認知症の方が行方不明にならない対策としての費用(趣味にかける費用・デイサービスの利用料など)も必要になる可能性もあります。また、認知症の方が日常生活で他人にケガをさせるなど、賠償責任が生じて多額の支払いが必要となるケースもあるため、保険に加入しておくなどの対策も必要になるでしょう。
 

自分と家族、社会のために老後の対策が必要

平均余命が長くなることで、人生100年時代といわれていますが、長生きによる経済的な負担はどんどん増加しています。介護費用だけでなく、認知症になった場合に発生すると想定される費用の準備も必要となると、現役時代からマネープランをしっかり練っておく必要があります。
 
公的介護保険や将来もらえる年金で賄えるのか、貯金で足りるのかなど、余裕のあるうちから対策を立てておきましょう。
 

出典

警察庁生活安全局生活安全企画課 令和2年における行方不明者の状況
総務省統計局 統計トピックス No.129 統計からみた我が国の高齢者
公益財団法人生命保険文化センター 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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