【老後の資金確保】「リバースモーゲージ」と「リースバック」の違いとは

配信日: 2022.07.05

この記事は約 3 分で読めます。
【老後の資金確保】「リバースモーゲージ」と「リースバック」の違いとは
老後、急な出費に対応しなければならないとき、資金捻出に苦慮することがあるかもしれません。そのようなときには、「リバースモーゲージ」や「リースバック」の利用を検討する方がいます。
 
このリバースモーゲージとリースバックとは、どのようなものでしょうか。
 
本記事では、リバースモーゲージとリースバックとの違いや、それぞれの注意点を解説します。
八木友之

執筆者:八木友之(やぎ ともゆき)

宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして資金を借り入れし、借入者が亡くなったときに担保(【mortgage】=モーゲージ)となっていた自宅を、金融機関が処分することで借入金を返済する仕組みです。
 
リバースモーゲージの返済は、借り入れした金額の利息のみの返済になるため、返済による負担が軽くなります。借入者が亡くなったときにまとまった資金があり、借入金を全額返済できれば自宅を売却する必要はなくなります。
 

リースバックとは

リースバックとは、自宅を売却し売却後は、自宅購入者と賃貸契約を結ぶことにより、自宅に住み続けることができる仕組みです。
 
自宅購入者と賃貸借契約を締結することにより、自宅に住むことができます。購入者と買い戻し特約を結んでおけば、一定期間内、売却した自宅を買い戻すことができます。
 

リバースモーゲージ利用の注意点

リバースモーゲージ利用の注意点は次の通りです。
 

融資利用限度額まで融資を受けるリスク

融資金額には上限があるため、長生きすればするほど利用金額がかさみ、融資上限金額に達する可能性が出てきます。融資上限金額に達した場合、新たに資金が借りられないのはもちろんのこと、融資の全額返済を迫られるケースもあるため注意が必要です。
 

不動産価値の下落リスク

リバースモーゲージは、不動産の価値に連動して融資上限金額が設定されているため、不動産価値が下落した場合には、融資上限金額を下げられることがあります。
 
このとき、すでに融資上限金額まで借り入れをしている場合、不動産価値が下落して融資上限金額以上に借り入れをしているという事態になります。そうなってしまうと、先述の通り、融資の一括返済を迫られることもあります。
 

金利変動のリスク

リバースモーゲージは変動金利の商品が多く、金利変動のリスクがあります。金利返済だけのため、返済金額の負担は少ないですが、金利上昇により返済負担が大きくなるケースもあります。
 

リースバック利用の注意点

リースバック利用の注意点は次の通りです。
 

家賃を支払う必要がある

リースバック後、自宅に住み続けるには、自宅購入者と賃貸借契約を締結する必要があります。そして、自宅に住むためには家賃が発生します。家賃の設定金額が高額ですと、せっかく資金を手に入れても生活が楽にはなりません。家賃の設定が妥当な金額なのか、確認が必要です。
 

賃貸期間に条件を付される場合がある

自宅購入者との賃貸契約には、賃貸契約期間が設定される場合があります。賃貸借契約期間を超えた場合には、自宅を退去しなければならなくなるため注意が必要です。
 

売却金額が通常の売却より低い場合がある

リースバックでの売却は、通常の売却金額より安く設定されることがあります。リースバックでの買取金額は、家賃からの利回り計算で算出されるため、通常の売却相場を下回ることがあるからです。
 
場合によっては、自宅を通常どおり売却して引っ越した方が得な場合もあるため、リースバックの買取金額が安いと感じたときには、不動産仲介会社に通常売却したときの金額を確認した方が良いでしょう。
 

まとめ

老後の資金捻出の方法の一部としてリバースモーゲージとリースバックを紹介しました。どちらも利用する際のデメリットがあるため、自身に合った資金捻出の方法なのか確認しておきましょう。
 
執筆者:八木友之
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集