更新日: 2022.07.06 その他老後
【おひとりさまの老後】将来「月15万円」の年金で都内で暮らすなら「都営住宅」に住むべき? 普通の賃貸との違いは?
仮に老後、おひとりさまが月15万円の年金収入で生活する場合、住宅の選択肢として都営住宅も検討しておくべきでしょうか?
老後のライフプランにおける住宅の問題について考えていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
都営住宅とは
都営住宅とは、所得が少ないなどの理由から一般の賃貸住宅への入居が困難な方に向けて、東京都住宅供給公社(JKK東京)が提供する公共住宅です。
都営住宅は一般的な賃貸住宅よりも安い家賃で入居できるのですが、入居には所得が一定額以下であるなど条件が定められています。
また、入居者の募集にはスケジュールがあり、抽せんや住宅についての困窮度で選定が行われるため、希望すればいつでも入居できるというわけではありません。
都営住宅の入居条件や募集時期など詳細については、JKK東京や東京都住宅政策本部のホームページで確認することができます。
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都営住宅に住むと毎月の家賃はどのくらい?
おひとりさまが老後、月15万円の年金収入で東京都内に住むのであれば、都営住宅への入居も検討するべきだといえます。
都営住宅は世帯所得の区分などに応じて家賃が決められるため、年金のみで月15万円程度の収入であれば、同じ地域の賃貸住宅の家賃相場と比べて格安の家賃で住むことができるからです。
参考までに練馬区石神井町にある都営住宅の例では、1ヶ月の年金収入15万円(ただし2人世帯)に該当する所得区分で、間取りが2DKの場合の家賃は月額1万7600円です(令和4年6月時点)。
同じ地域で2DKの一般の賃貸住宅に入居しようと思ったら、家賃相場は8万円程度となるので、およそ4.5倍の家賃となってしまいます。
おひとりさま世帯においても、一般の物件と比較してかなり家賃が安くなるため、都営住宅に入居することで生活費を下げることができます。
さらに都営住宅では、一般の賃貸住宅のように入居時の敷金や礼金が発生しないため、初期費用が安く抑えられる上、2年ごとなど契約更新のたびに必要となる更新料もありません。
都営住宅と一般の賃貸住宅との違いは?
都営住宅と一般の賃貸住宅との違いには、主に以下のようなものがあります。
家賃が安く、敷金や更新料などが不要
先ほど説明したとおり、都営住宅の家賃は一般の賃貸住宅の相場に比べてかなり低くなっています。
それに加えて敷金・礼金といった初期費用や更新料もなく、収入が限られた年金生活でも長期間、安心して住み続けられるようになっています。
東京都が運営している
都営住宅は東京都が公的に管理・運営しているため、一般の賃貸住宅のように、悪質な管理会社に当たった場合は適切な管理が行われず、生活をする上で不便なケースが発生するといったことが基本的にはないといえます。
高齢者でも入居しやすい
一般の賃貸住宅では単身者の場合、高齢になるほど入居時の審査に通りづらくなります。
しかし都営住宅であれば、所得のほか、入居希望者が多い場合は抽選になるなど制限はあるものの、60歳以上の高齢の単身者にも積極的に貸し出しています。
そのため、おひとりさまが年齢を理由に入居ができないという、賃貸住宅にありがちな問題を解決することができます。
都営住宅のデメリットは?
都営住宅は都が管理していることから、入居時期は原則、年数回と決まっており、希望するタイミングで入居できるとは限らないというデメリットがあります。
また、都営住宅の数には限りがあるため、一般の賃貸住宅のように多くの物件の中から希望の条件に合うものを見つけるなど、選択肢の広さを生かした物件選びは思うようにできないでしょう。
おひとりさまは都営住宅への入居も検討を
おひとりさまが老後、毎月15万円の年金収入だけで生活しようと考えている場合、都営住宅に住むことも検討すべきです。
一般の賃貸住宅と都営住宅の違いについて知っておいた上で、都営住宅への入居も選択肢の1つとして考えておくと、より老後のライフプランが立てやすくなるでしょう。
出典
東京都住宅供給公社(JKK東京) 都営住宅情報 募集のご案内
東京都住宅政策本部 申込み方法、使用料(家賃)、申込みから入居まで
東京都住宅供給公社(JKK東京) JKK東京とは?
執筆者:柘植輝
行政書士