「通所リハビリテーション(デイケア)」の役割とは? 目的は自立支援

配信日: 2022.07.12

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「通所リハビリテーション(デイケア)」の役割とは? 目的は自立支援
通所リハビリテーションは「デイケア」とも呼ばれ、自立支援を目的とし、リハビリを行うことで身体や心身機能の回復、認知機能の改善を目指します。
 
ここでは、通所リハビリのサービス目的と内容について説明します。
宮本建一

執筆者:宮本建一(みやもと けんいち)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

通所リハビリテーションの定義

介護保険法では、通所リハビリについて、居宅の要介護者を介護老人保健施設や病院など厚生労働省令で定める施設に通わせ、心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法や作業療法などのリハビリであると定められています(八条の8項)。
 

通所リハビリのサービス内容、特徴は?

通所リハビリにおける具体的なサービス内容や特徴について説明します。
 

通所リハビリのサービス内容

通所リハビリのサービス内容は、心身の機能の維持や回復、日常生活の自立を促すための理学療法、作業療法その他必要なリハビリを行います。
 
具体的には、


・専門的な器具を用いたリハビリ
・口腔(こうくう)機能向上などのリハビリ
・専門家による運動機能の向上

などがあります。これ以外に、通所リハビリには診療や看護などといった医学的管理や、デイサービス(通所介護)同様、食事や入浴、排せつの介助やレクリエーションの実施などのサービスがあります。
 

通所リハビリの特徴

通所リハビリの特徴として、次の点があります。
 

1.常勤の医師がいる

・通所リハビリには常勤医師がいて、利用者100人に1人以上の従事者(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、介護職員)が常駐しています

・リハビリを行う専用の部屋が確保されており、医師の指導のもとリハビリを受けられます
 

2.「要支援」でも利用可

通所リハビリは日常生活の自立を促すための施設であるため、要介護度が1~5の人だけでなく、要支援1~2の人も利用可能です。
 

デイサービス(通所介護)との違いは?

通所リハビリと似たサービスで「デイサービス」(通所介護)がありますが、違いはどこにあるのでしょうか。
 
表1


出典: 厚生労働省「第193回社会保障審議会 介護給付費分科会(web会議)資料」
 
通所介護との主な相違点として、
 

・医師の配置

 通所リハビリには医師が常勤しますが、通所介護には医師はいません
 

・実施内容や目的

通所リハビリは利用者の心身機能の維持回復を目的としているのに対し、通所介護は主に利用者および利用者家族の身体的・精神的負担の軽減に重きが置かれています
 
といった点が挙げられます。
 

費用は?

通所リハビリおよび通所介護の基本サービス費はどのくらいかかるのでしょうか。介護保険料1割負担を基準として、施設の規模(通常規模型)、サービス提供時間(7~8時間)を統一して、比較してみました(表2)。
 
通所リハビリの利用料が、通所介護より高いことがうかがえます。なお、基本サービス費の比較ですので、利用者が受けるサービス内容や施設により利用料金は異なります。また別途、食事などの実費負担があります。
 
表2

通所リハビリ 通所介護
要介護1 716円 648円
要介護2 853円 765円
要介護3 993円 887円
要介護4 1,157円 1,008円
要介護5 1,317円 1,130円

出典: 厚生労働省 第193回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料より筆者作表
 

まとめ

通所リハビリは自立支援を目的とし、リハビリにより身体、心身機能の回復や認知機能の改善を目指します。医師が常時いるため安心して、医師の指導の下でリハビリに取り組めます。
 
似た施設に通所介護(デイサービス)がありますが、利用者及び利用者家族の身体的および精神的負担の軽減に力点が置かれています。
 
利用する際には、どのようなサービスを受けたいのかをケアマネジャーと相談し、通所リハビリあるいは通所介護のうち、利用者本人に合う方を選びましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 介護保険法
厚生労働省 介護・高齢者福祉
 
執筆者:宮本建一
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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