更新日: 2022.08.08 老後

老後の生活費はいくら必要?必要資金の貯め方とは?

老後の生活費はいくら必要?必要資金の貯め方とは?
2019年に金融庁が公表した報告書を発端として、「老後2000万円問題」がクローズアップされました。
 
平均寿命がのびる一方で、年金制度の破綻がささやかれるようになっており、「老後の人生にどのくらいの資金が必要なのだろうか」と不安に思う方も多いでしょう。
 
現時点で貯金のない方は、老後に必要な資金を知る前に諦めてしまっているかもしれません。
 
結局のところ、老後の生活費はいくら必要なのでしょうか? そして、老後の生活費を貯めるにはどのような方法があるのでしょうか?
 
FINANCIAL FIELD編集部

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老後に必要となる資金はどのくらい?

老後は、自己資金だけで生活しないといけないわけではありません。一定の受給資格を満たすことで、公的年金を受け取ることができます。
 
したがって、老後資金とは、定年退職してから必要になる食費や住居費、水道光熱費、被服費、家具費、医療費といった、生活に最低限必要な資金と、旅行費や娯楽費などを加えた金額の総額から、公的年金受給額を差し引いた金額になります。
 

老後の生活費は?

総務省統計局が公表している統計調査「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によれば、世帯主が65歳以上で夫婦2人のみの、無職世帯の毎月の消費支出は、28万2297円です。
 
消費支出の内訳は以下のとおりです。
 

●食費……7万8908円
●住居……1万7392円
●水道光熱費……2万2718円
●家具・家事用具……1万3522円
●被服費……8017円
●医療費……1万6166円
●交通費……4万1307円
●教育費……2820円
●娯楽費……2万4569円
●その他……5万7579円

 
消費支出には、生活するために最低限必要な金額が反映されているため、最低限度以上の生活を送る場合には、必要費用はさらに高くなります。
 

公的年金受給額

令和4年度に支給される国民年金(老齢基礎年金)の満額は年間77万7800円、月に6万4816円となります。
 
これは20歳から60歳まで40年間国民年金の支払いを続けた場合です。支払期間が30年であれば、年間58万3350円、20年であれば、38万8900円となります。40年支払い続けたと仮定して、夫婦の月の受給額は12万9632円です。
 

毎月の不足額と必要期間

上記の調査結果によれば、世帯主が65歳以上の夫婦二人のみの無職世帯の毎月の収支は以下のとおりです。
 

●収入……12万9632円
●支出……28万2297円
●収支……15万2665円

 
仮に公的年金だけが収入である場合には、15万2665円が毎月不足することになります。
 
公的年金が受給できるのは65歳からです。厚生労働省によれば、令和3年時点の、男性の平均寿命は81.47年、女性の平均寿命は87.57年となっています。平均すると、約84歳となります。
 
したがって、65歳から84歳まで毎月15万2665円が不足すると仮定します。その場合の不足額の総額は以下のとおりです。
 
15万2665円×19年(84歳-65歳)=2900万635円
 
このように老後資金は3000万円程度必要ということが分かります。これは、収入を国民年金のみと仮定した場合ですので、必要な老後資金がこれより小さくなる可能性はあります。
 

老後資金を貯める方法とは?

上記で紹介した老後資金はあくまで一例です。それぞれ生活レベルが異なるので、1000万円あれば十分な人もいれば、1億円あっても足りない人もいるかもしれません。
 
どちらにせよ、公的年金で生活費をカバーできない不足分については、自己資金で補てんする必要があります。
 
20代、30代のころはマイホームや子供の教育費にお金がかかり、老後資金まで手が回らないかもしれません。
 
しかし、50代、60代から老後資金を準備するのは簡単ではありません。できるだけ早くから老後資金の準備に取り掛かりましょう。
 
では、老後資金を準備するためにはどんな方法があるのか、みていきましょう。
 

65歳以降も仕事を続ける

平均寿命の上昇や人生100年時代の到来によって、65歳で引退することは過去の話になりつつあります。
 
65歳で仕事を辞めると、年金だけで生計を立てる必要がありますが、仕事を継続すれば、安定的に収入が確保できます。
 
可能であれば、フルタイムで働いていて、貯金を切り崩す期間を短縮しましょう。会社によっては、定年延長制度や定年を迎えた社員の再雇用制度があります。これらの制度を利用して、65歳以上も仕事を続けることを検討しましょう。
 
ただし、若いころより体力が衰え、人的資本は目減りします。健康な体が最大の資本ですので、肉体面と精神面両方の健康を維持する必要があります。
 

定期預金

定期預金を利用して、若いころからお金を貯めておくという方法もあります。
 
定期預金は、元本割れのリスク無しで確実にお金を貯めることができます。株式や投資信託であれば、運用成果次第で元本割れの可能性があるので、確実に貯めたい人におすすめです。
 
また、一定期間は引き出すことができないので、老後を迎えるまでにお金を使ってしまう可能性を排除できます。
 
ただし、日本は超低金利時代です。メガバンクの定期預金の金利は10年物で0.002%です。例えば、2000万円を預けたとして、10年後に得られる金利は400円です。さらに税金として20.315%が引かれるので、手元に残るのはさらに少なくなります。
 
あくまでもほかの手段と併用するという形で利用したほうがよいでしょう。
 

iDeCoやNISA

iDeCoやNISAといった制度は、政府が国民の資産形成を促すために創設した税制優遇措置です。
 
株式や投資信託の運用によって得られた利益に税金がかからないため、効率的に資産形成ができます。
 
「投資」と聞くと、怪しいイメージを持つかもしれませんが、対象となる商品は、金融庁が選定した比較的安全な商品に限定されています。投資によって、年3~5%程度の利回りを実現できれば、長期的に資産形成が可能になります。
 
ただし、投資ですので、元本割れのリスクがあります。
 
引退を迎えた時点でリーマンショックやコロナショックのような事態が発生すれば、投資した金額を大きく下回る結果になる可能性もあることを理解しておく必要があります。
 

老後資金の準備はできるだけ早くからとりかかろう

老後に必要な資金は、収入が国民年金(老齢基礎年金)のみの場合、総務省統計局のデータを基に算出すると3000万円となります。実際に必要な老後資金は、生活レベルによって人それぞれ異なりますが、公的年金だけでは足りない場合は、自己資金で補てんする必要があります。
 
定期預金やiDeCo、NISAを利用して、老後資金の準備を始めましょう。また、65歳以降も仕事を続けることも老後資金の補てんには有効でしょう。
 
自分に必要な老後資金はいくらぐらいなのかを考えてみて、できるだけ早めに準備にとりかかることが重要です。
 

出典

総務省 家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況より 主な年齢の平均余命
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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