更新日: 2022.08.18 老後

いまさら聞けない「2025年問題」とは?何が問題なのかおさらい

いまさら聞けない「2025年問題」とは?何が問題なのかおさらい
「2025年問題」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。2025年問題とは、2025年になると第一次ベビーブーム期に生まれた団塊の世代がすべて75歳以上の「後期高齢者」になってしまう、というものです。
 
しかし、それの何が問題なのか、社会にどのような影響を及ぼすのかについては今ひとつよくわからない、という人もいるかもしれません。
 
そこで今回は、2025年問題として懸念されている問題の具体的な内容について詳しく解説します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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労働人口の減少

これまで高齢化の問題というと、高齢化社会が到来するまでの速さが問題となっていました。早く対策を行わないと手遅れになってしまう、というわけです。
 
しかし、もはや事態はそのような状況ではありません(図表1)。高齢化社会が既に訪れてしまっている以上、問題は高齢化率の高さにあるのです。
 
【図表1】世代別に見た高齢者人口の推移

図表1

 
出典 厚生労働省 第1回介護施設等の在り方に関する委員会「資料4 今後の高齢化社会の進展~2025年の超高齢社会像~」(2006年)より引用
 
高齢化率が高いと具体的にどのような問題が起こるのでしょうか。
 
まず挙げられるのは労働力不足です。定年後も働き続ける人もいるものの、多くの人は定年を機に現役を退きます。政府は外国人労働者の受け入れのほか、女性や定年後の高齢者が働きやすい環境を整備する、といった対策を行ってきました。
 
しかし、総務省が行った調査によると、2019年を境に労働力人口は減少しています(図表2)。労働力人口が不足すると経済が停滞し、経済が停滞すると社会保障を支える保険料や税収が減少してしまうことが懸念されます。
 
【図表2】労働力人口の推移
図表2

 
出典 総務省統計局「労働力調査(基本集計)」(2022年)より引用
 

医療費・介護費の増大

高齢化率が高くなると、労働力人口の減少に加えて医療費や介護費の増大という問題もより表面化するでしょう。
 
財務省の資料によると、2019年の段階で65~74歳の人の医療費は1人当たり約56万7000円、75歳以上の人の場合は約93万1000円です。介護費は65~74歳の人の場合1人当たり約4万9000円、75歳以上の人の場合1人当たり約47万4000円となっています。65~74歳の人と75歳以上の人では医療費で約2倍、介護費では約10倍の差が生じているのです。
 
そして2019年には65~74歳までの人口は約1740万人でしたが、2025年には約1497万人に減少するといわれている一方、75歳以上の人口は2019年には約1849万人だったのが約2180万人に増加するといわれています(図表3)。ということは、医療費・介護費ともに2025年以降は大きく増大してしまうと考えられるのです。
 
【図表3】75歳以上の人口増加と1人当たり医療費・介護費

図表3

 
出典 財務省HP「日本の財政を考える 2章10項」より引用
 
こうした医療費や介護費は現役世代が支払っている保険料と国の税収で賄っています。前述したように、労働力不足によって保険料や税収は減少すると見込まれているにもかかわらず、それらで賄われている医療費や介護費はむしろ増大するのです。
 
こうしたことから、2025年以降は現役世代が毎月給料から支払っている保険料の保険料率を引き上げたり、あるいは消費税率を引き上げたりする必要が生じてくる、といわれています。また、年金受給額の減少など公的支援サービスの質が下げられることも避けられないでしょう。
 

2025年問題はすべての世代にとって重要な問題!


 
2025年問題は後期高齢者となる団塊の世代だけでなく、彼らを支えることになる現役世代にとっての問題でもあります。また、個人だけでなく国の経済を回している企業にとっても重要な問題となるでしょう。
 
対策としてはIT技術の活用や地域包括ケアシステムの推進、資産運用によって年金だけに頼らない老後の資金計画を立てるなどの意見が提唱されています。
 

出典

厚生労働省 第1回介護施設等の在り方に関する委員会 「今後の高齢化の進展~2025年の超高齢社会像~」(2006年9月27日)
総務省統計局 「労働力調査(基本集計)2022年2月1日 第1 就業状態の動向」
厚生労働省 「令和2年度医療費の動向」
財務省 社会保障費は今後も増えるのか
財務省 社会保障(参考資料)
健康保険組合連合会 今、必要な医療保険の重点施策- 2022年危機に向けた健保連の提案-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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