更新日: 2022.09.03 その他老後

60代、70代で働いている人はどれくらい? 給与所得者の割合は?

60代、70代で働いている人はどれくらい? 給与所得者の割合は?
「まだまだ元気だから、定年を迎えたあとも働いて家計にゆとりをもちたい」と考える人は多いでしょう。それでは、実際に働いて収入を得ている60代・70代はどれくらいいるのでしょうか。
 
本記事では統計調査の結果をもとに、働いている60代・70代の割合や、雇用形態別の割合などについて解説します。ぜひ、老後のライフプランの参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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60代・70代の就業率は上昇傾向

 
内閣府が公表している「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、60代のうち収入のある仕事をしている人の割合は、60代前半は74.0%と高く、60代後半では約半分の48.3%です。70代では、70代前半が38.6%、70代後半でも24.1%とおよそ4人に1人が働いています。
 
同じく内閣府発表の「令和4年版高齢社会白書」をもとに、平成29~令和3年度の60代・70代の就業率の推移を図表1にまとめました。
 
【図表1】
 

平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度 令和3年度
60代前半 66.2% 68.8% 70.3% 71.0% 71.5%
60代後半 44.3% 46.6% 48.4% 49.6% 50.3%
70代前半 27.2% 30.2% 32.2% 32.5% 32.6%
70代後半 9.0% 9.8% 10.3% 10.4% 10.5%

 
内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) 第2節 高齢期の暮らしの動向」より筆者作成
 
いずれの年代でも就業率は増加傾向にあり、働いて収入を得る高齢者が年々増えていることが分かります。
 

60代・70代の給与所得者の割合

 
次に、働く60代・70代のうち、給与所得者はどれくらいいるのかを見てみましょう。
 
「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、60代・70代の就業者から自営業主・ 個人事業主・フリーランス(家族従業者を含む)を除いた給与所得者の割合は、性別・年齢別に図表2のとおりです。
 
【図表2】
 

全体 男性 女性
60代前半 80.6% 80.7% 80.5%
60代後半 70.9% 70.9% 70.9%
70代前半 60.0% 54.2% 66.7%
70代後半 53.0% 49.0% 58.8%

 
内閣府「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(概要版)」より筆者作成
 
調査結果に給与所得者の割合として算出された資料がないため正確な割合は分かりませんが、図表2に近い数字だと考えてよいでしょう。全体の傾向として、年齢が高いほど給与所得者の割合は低くなっています。
 
また、60代では性別による顕著な差はありませんが、70代では女性のほうが給与所得者の割合が高いことが分かります。
 

働く60代・70代の雇用形態

 
図表3は同調査結果をもとに、働く60代・70代の雇用形態ごとの割合を年齢別にまとめたものです。
 
【図表3】
 

自営業主・ 個人事業主・
フリーランス
正規の社員・ 職員・従業員 パート・
アルバイト
労働者派遣
事業所の
派遣社員
契約社員・ 嘱託社員 会社または団体
の役員
その他
60代前半 19.4% 27.7% 29.8% 1.0% 16.2% 5.8%
60代後半 29.1% 13.8% 36.5% 1.6% 13.2% 4.2% 1.6%
70代前半 40.0% 6.5% 39.4% 1.3% 7.1% 4.5% 1.3%
70代後半 47.0% 2.4% 37.3% 1.2% 10.8% 1.2%

 
内閣府「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(概要版)」より筆者作成
 
60代ではパート・アルバイトの割合が最も高く、前半・後半ともに3分の1程度を占めています。一方、70代になると個人事業主などの自営業者の割合が高くなり、70代後半では半分近くが自営業者です。
 
また、いずれの年齢でも正規の社員・ 職員・従業員の割合は高くなく、勤務延長制度などによる正社員での継続雇用や、正社員での再就職は少ないケースであることがうかがえます。
       

70代前半でも3分の1程度の人が働いている

 
60代・70代で働いている人の割合は増加傾向にあり、70代前半では3人に1人以上、70代後半でも4人に1人程度が働いて収入を得ています。また、その大半が給与所得者です。
 
この調査結果から、健康寿命が長くなり高齢になっても働く意欲や能力がある人が増えている今、定年後も長く働くことを視野に入れたライフプランが、当たり前になったといえるのではないでしょうか。
 

出典

内閣府 令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(概要版)

内閣府 令和4年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) 第2節 高齢期の暮らしの動向

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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