定年後は年金だけで生活できる? 人生100年時代を生き抜くコツ
配信日: 2022.09.06
日本人の平均寿命は、厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によると、男性は81.47歳、女性は87.57歳となっており、しっかりと老後の資金を準備する必要があります。この記事では、定年後に必要なお金と、人生100年時代を生き抜くコツについて説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後にかかる生活費
まず定年後の生活費についてみてみましょう。夫婦2人暮らしの家庭を想定して計算しています。総務省が発表した「家計調査年報(家計収支編)総世帯及び単身世帯の家計収支」(2020年)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の生活費は、平均で22万4390円です。
年金以外の収入がない中で毎月22万4390円が必要と考えると、支出額は少なくないことが分かります。
定年後に必要なお金
では、定年後に必要となるお金はいくらなのでしょうか? 60歳で退職し90歳まで生きた場合の必要なお金をシミュレーションしてみましょう。前項で説明のとおり、夫婦2人暮らしの毎月の生活費は22万4390円かかるので、60歳から90歳までの間に必要な生活費は8078万400円です。
実際には退職金や年金が入ってくるので、以下の金額は差し引いて考えます。年金については、65歳から老齢基礎年金のみ満額受け取ったと仮定します。
【図表1】
項目 | 金額 |
---|---|
退職金 | 1983万円 ※1 |
年金 | 3889万円 ※2 |
合計 | 5872万円 |
出典
※1 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」より大学・大学院卒の定年退職者の平均退職給付額から設定
※2 日本年金機構「老齢年金ガイド(令和4年度版)」より77万7800円(2022年度の老齢年金の年間の満額)×25年(65~90歳)×2人で算出
8078万400円から5872万円を差し引くと、2206万400円が不足金額となります。 現在の年齢ごとに、毎月必要となる貯金額は図表3のとおりです。
【図表2】
現在の年齢 | 60歳までの毎月の貯金額 |
---|---|
45歳 | 約13万円 |
50歳 | 約18.4万円 |
55歳 | 約36.8万円 |
想像以上に高い金額に驚いた人も多いのではないでしょうか? なお、シミュレーションは貯金がない前提で行っています。ゆとりのある老後を過ごすために、現役時代に1000万円程度の貯金を用意しておけば安心でしょう。
人生100年時代を生き抜くには?
寿命が長寿化する中で、「学ぶ」「働く」「定年後」という従来のライフステージの変化では対応できなくなり、柔軟にステージを組みかえて生きていく必要があるとされています。
定年しても、年金以外の収入源の確保や社会とのつながりが大切になってくるでしょう。ここでは、人生100年時代を生き抜くコツを紹介します。
再雇用制度を利用する
定年まで働いた会社で再雇用制度を利用すれば、65歳まで働き続けることができます。給料は現役時代より減ってしまいますが、慣れた環境で継続して働き続けられるメリットは大きいでしょう。
これまでの経験・スキルを生かした、新たなポジションで活躍できる可能性もあります。
資産運用をする
近年は金利が低く、銀行にお金を預けているだけでは、なかなか資産が増えません。余裕のある資金で資産運用をしましょう。投資初心者の人には、投資信託がおすすめです。投資信託は、投資家から集めたお金を専門家が運用し、利益が分配される仕組みになっています。
株式投資のように自分で投資先を選ばなくてよいため、比較的リスクの少ない投資です。資金に余裕のある人は、株式投資や不動産投資なども検討してみるとよいでしょう。
フリーランスとして働く
定年後にフリーランスとして働く方法もあります。簡単に始められる仕事として、アンケートモニターやデータ入力、WEBライターなどがあります。ある程度の収入を確保したいのであれば、WEBライターがおすすめです。
WEBライターは、企業のサイトやブログなどの文章を書く仕事です。クラウドソーシングサイトに登録して、案件に応募することができます。低い文字単価の案件から始めて、慣れてきたら少しずつ単価の高い案件にも応募してみるとよいでしょう。
まとめ
定年後には思った以上にお金が必要になります。老後のシミュレーションをして、不足金額を補えるよう、現役時代に貯金しておきましょう。
また、人生100年時代を生き抜くには、年金以外の収入源や社会とのつながりが重要です。定年後を見越して、今のうちから自分に合った生き方を探してみましょう。
出典
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
総務省 家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)総世帯及び単身世帯の家計収支
厚生労働省 平成30年就労条件総合調査 結果の概況
日本年金機構 老齢年金ガイド(令和4年度版)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部