「シニア起業」を成功させるポイントって?
配信日: 2022.10.01
今回は、シニア起業を成功させるポイントについて解説します。シニア起業に踏み出そうか迷っている人必見です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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シニア起業に踏み出す人は増加中
中小企業庁の「2017年版中小企業白書」には、起業家を年齢別に見た推移が公表されています。若者の起業は年々下火になっているのに対して、60歳以上の起業は年々増加していることが分かります。
古いデータですが、2012年における60歳以上の起業家は男性35.0%、女性20.3%です。
【図表1 起業家の年齢別構成推移】
中小企業庁 2017年版中小企業白書 中小企業のライフサイクル
シニア起業を成功させる4つのポイント
長年頑張ってきた仕事人の集大成として、シニア起業を成功させましょう。そのために起業前に知ってほしいポイントを4つ紹介します。
経験・知識・スキル・人脈をフル活用する
定年後の世代が持っている、長年にわたって培ってきた経験、知識、スキル、人脈は、若い起業家にはない武器になります。
いま、定年を迎えようとしている人たちは、日本の高度経済成長期を過ごし、バブル景気の浮き沈み、「24時間戦えますか」を合言葉に今では考えられないハードワークを経てきた世代であり、実践で養われた知識やスキルを備えています。また、新卒から定年まで同じ会社で働き続けたという人も多いでしょう。
起業する業界は、これまで働いてきた分野に関するものにしましょう。例えば次のようなパターンです。
・生命保険会社の渉外員から生命保険の代理店
・銀行員からコンサルティング会社
・出版社勤務からWebライター
など
これまでとは異なる業界も魅力的ですが、シニア起業の強みを生かすことが難しくなってしまうため注意しましょう。
肩書ゼロからのスタートであることを意識する
会社員時代は社名や役職名に守られて仕事をしていたという面もあるでしょう。また、会社員であっても会社の下請け先などと、上下関係があったという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、定年した以上は従来の上下関係はありません。起業後の肩書はゼロであり、誠実な仕事を積み重ねることで評価されていく世界であることを自覚しましょう。これまでの豊富な経験にあぐらをかかず、起業後も勉強し続ける姿勢が大切です。
無理のない事業規模で始める
シニア起業は、まずは無理のない事業規模から始めましょう。せっかく起業するのだからと意気込んで、いきなり複数人の従業員を雇う、多額の投資をする、などはおすすめしません。
起業した人に定年はありません。また、退職金や年金があるため、生活費の全額を事業から稼ぐ必要もありません。身体を第一に、マイペースでも着実な事業経営をしてください。
相談できる環境を作る
会社員であれば、同じ境遇にある同僚たちとの会話で、悩みの解消やストレスを発散する機会もあったかもしれません。しかし、経営者になると判断も責任もすべて自分にかかり、日々会話をする相手は事業関係者が主になります。昼休みにすぐ話ができる同僚はおらず、孤独を感じる面もあるでしょう。
シニア起業に限らずいえることですが、起業する場合はビジネス面において心を許せる相談先を持ちましょう。定年仲間で起業した人はもちろんのこと、起業家のコミュニティーなどへの参加もおすすめします。
まとめ
シニア起業を成功させるポイントは、「本業での経験を生かす」こと、「起業1年生であることを自覚する」、「無理をして働かない」、「相談先を確保する」ことです。シニア起業は、定年前から少しずつ準備していきましょう。
出典
中小企業庁 2017年版中小企業白書 中小企業のライフサイクル
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部