更新日: 2022.10.01 定年・退職
【退職金】自己都合退職と定年退職でいくら違うの?
それでも勤めていた年数によっては退職金がもらえますが、定年時に受け取る退職金とはどれくらい差があるのでしょうか。
本記事では、自己都合退職した場合の退職金が、定年退職した際といくら違うのかを解説します。定年前に退職金を受け取る場合はいくらになるのか、参考にしてください。
執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)
2級ファイナンシャルプランナー
自己都合退職による退職金は定年退職
厚生労働省の就労条件総合調査では、自己都合による退職金は定年退職に比べて大学・大学院卒では約15%減少しています。勤続年数が20年以上で45歳以上を対象にしている調査で、自己都合による退職は定年を迎える前に退職した人です。
図表1
出典:厚生労働省 平成30年就労条件総合調査より筆者作成
高校卒の場合は自己都合と定年で、退職金が約25%から55%も差が開いています。退職事由が自己都合の場合、高校卒では退職金が大きく目減りする可能性が高いといえるでしょう。
一方で、早期優遇は大学・大学院卒で約20%退職金が増えています。高校卒の場合は約25%から45%ほど増えているため、定年前に退職するにしても早期優遇が募集されるまで待つ方が得策といえるでしょう。
自己都合退職の割合は増加している
自己都合退職をする人の割合は2013年と比較すると増加しています。勤続年数が20年以上で45歳以上の退職者で見ると、自己都合退職の割合が2018年では20.4%でした。対して2013年は16.9%となっており、割合は約3ポイント増加しています。
業種別で自己都合による退職者が最も多い業種は「医療・福祉」でした。次いで「金融業・保険業」「建設業」と続きます。高収入が得やすい医療や金融分野では、早期に退職してもこれまでの収入で十分な貯蓄や資産を形成しやすいことも、割合が高くなっている一因であると考えられます。
図表2にある通り、企業規模で見ると従業員が多くなるほど、自己都合による退職の割合は低くなります。
図表2
出典:厚生労働省 平成30年就労条件総合調査より筆者作成
一方で、早期優遇は従業員数が少なくなるほど、割合は低い結果となりました。一般的に従業員数が多いと退職制度も充実している点も影響していると考えられます。
自己都合で退職するべきかよく検討して決断しましょう
自己都合と定年退職で、退職金がどれだけ開きがあるのか解説しました。一般的に勤続年数で退職金額が変わりますが、同じ退職事由なのに学歴で金額の開き幅に違いがあります。
早期優遇の措置を使えば退職金は上乗せされるので、企業が募集をかけるまで待つ方が無難でしょう。とはいえ、早期優遇が毎年行われるかは企業によって状況が異なるので、退職金として目標にする金額に達していれば自己都合でも問題はないでしょう。
自己都合で退職をする人の理由はさまざまです。退職金はその後の生活を下支えする大切な資金なので、自分が受け取る金額がいくらかをしっかり踏まえながら退職すべきかどうか検討しましょう。
出典
厚生労働省 平成30年就労条件総合調査
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランニング技能士