「定年後は気楽に年金暮らし」が難しい理由とは?定年後を乗り切るコツも紹介!
配信日: 2022.10.17
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年時にもらえる年金の額はいくらになるのか
現在の企業における定年はおおむね60歳か65歳が一般的です。ただし、令和7年4月からは法律によって65歳定年制が義務化されます。また、年金の受給開始年齢は原則、国民年金で65歳、厚生年金で60歳です。ただし、厚生年金の支給開始年齢については、男性は令和7年度、女性は令和12年度には65歳に引き上げられます。したがって、多くの人が65歳で定年を迎えると同時に年金を受給し始めると考えて良いでしょう。
65歳で年金を受給し始めたとき、いくらぐらいの年金をもらえるのかについて平均受給額を確認してみましょう。厚生労働省の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、令和2年度末現在における厚生年金の平均受給額は、月額で14万6145円、国民年金の平均受給額は、月額で5万6358円となっています。
年金は減り物価は上がる
先に見た平均年金受給額ですが、今後もこの額が維持されるとは限りません。年金の支給額は近年引き下げられる傾向にあり、令和3年4月には0.1%の減額、令和4年4月には0.4%の減額となっています。
これに対して物価は上昇傾向です。例えば、令和4年8月の生鮮食料品を除く消費者物価指数は前年に比べて2.8%も上昇しており生活を直撃しています。現在の物価上昇は、ロシアによるウクライナ侵攻や、急速に進んだ円安が大きく影響しています。この傾向がどこまで続くかはわかりませんが、他の要因で今後も物価上昇が続く可能性は十分あります。
年金に頼れない老後を乗り切るコツ
「気楽な年金暮らし」を実現するのはかなり難しい状況の中で、どのようにして老後の生活を支えていけば良いのでしょうか。いくつか方法を挙げてみましょう。
1つ目は資産運用をしておくことです。
余裕資金を使って資産を増やすことを考えてみましょう。ただし、あまり大きくリスクを取るのはおすすめできません。例えば株式投資であれば、短期間に売買を繰り返すような方法ではなく、長期保有を前提にした投資を行う方が良いでしょう。
また、運用の専門家に任せる投資信託を選ぶというのもリスクを下げる方法です。大切なことは、余裕資金だけを使うということであり、生活に必要な資金をつぎ込んだり、借り入れをしたりして投資をするようなやり方はおすすめできません。
2つ目は働き続ける方法です。
例えば、定年になった会社で再雇用してもらえば、毎月の給料を得ることができます。定年前の給料からは大幅に少なくなってしまう場合もありますが、それでも定期的に給料が入ってくる安心感は大きいものです。
再雇用が難しい場合には、他の仕事を探すか、フリーランスとして仕事をするなどの選択肢があります。フリーランスであれば長く働くことも可能ですから、何か専門技能を身につけて備えておくというのも良いでしょう。
定年後の安心のために今から備えよう
日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超えており、定年後の人生はかなり長くなっています。しかし、この長い期間を年金だけを頼りに暮らしていくのは難しいのが現実です。まずは、年金をいくらもらえる予定なのかを確認し、現実を見つめることから始めましょう。そして、老後を乗り切るために、一日でも早く手を打つことが大切です。
出典
日本年金機構 令和3年4月分からの年金額等について
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部