更新日: 2022.10.17 セカンドライフ

【年金生活】食費の平均額はいくら? 物価の状況もあわせて解説

執筆者 : 川辺拓也

【年金生活】食費の平均額はいくら? 物価の状況もあわせて解説
食品の値上げに歯止めがかかりません。小麦や油脂の高騰に始まり、円安によって輸入コストが上昇した結果、2022年8月までに累計2万品目が値上がりしました。
 
帝国データバンクの調査結果によると、2022年10月は年内最多の6000品目が値上げされます。食品価格の値上げが相次ぐ中で、食費は年金受給額のどれくらいを占めているのでしょうか。
 
本記事は、年金に占める食費の割合を解説します。老後の生活を送るうえで、食費をどれくらいに抑えるべきかを知るための参考にしてください。
川辺拓也

執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)

2級ファイナンシャルプランナー

年金生活者の食費の平均額はいくら?

総務省の家計調査によると、2022年7月の年金生活者の食費は、2人以上の世帯で平均で約6万円から8万円です。厚生年金と国民年金の受給平均額を見ると、2021年度は厚生年金で約14万6000円、国民年金で約5万6000円でした。
 
年金受給額の合計が約20万円となるので、食費が年金に占める割合は約3割から4割となっています。貯蓄や負債の状況によって変わりますが、年金生活中の食費は3割から4割を目安に考えるといいでしょう。
 
食費の平均額を2021年と比較すると、図表1に示す通り「70歳~74歳」と「85歳~」以外の年齢帯で増加しています。
 


 
食料品の値上げによって支出が増えたか、節約などで意図的に支出を減らした可能性があります。上記の結果では、家計に影響があるかまで見えにくいですが、物価の上がり幅と年金受給額の推移から影響の有無が分かるので確認しておきましょう。
 

消費者物価指数から見る年金生活者の家計状況

2022年7月に総務省が発表した消費者物価指数の資料によると「食料」では2020年を100とすると104.5ポイントで指数が上昇しています。「高熱・水道」「家具・家事用品」に次いで高い指数となっているため、食品の値上げ幅が他のジャンルに比べて顕著であるといえるでしょう。
 
一方で、年金受給額は図表2に示すように、2016年度と比較すると約800円の差しかありません。前年度より受給額が増加している年度もありますが、基本的には横ばいといえる金額です。
 


 
消費者物価指数が上昇しているにもかかわらず、年金受給額は上がっていないため、食料品の物価上昇が年金生活者の家計を圧迫しているといえます。
 

年金生活を送るうえで食費については見つめ直す必要がある

年金生活者の食費はいくらかけているのか、相場について解説しました。年金生活をしている人の食費は、2人以上の世帯で約6万円から8万円が相場です。年金受給額の約3割から4割なので、家計を管理するうえで参考にしてください。
 
消費者物価指数の観点から見ると、年金受給額が直近5年で変化が見られないため食費は家計を圧迫しているといえます。将来的な物価の状況にもよりますが、物価が上昇し続ければ食費を見つめ直さないといけない世帯も増えるでしょう。
 
食費は家計の中でも何気なく使ってしまうので、一気に削減するのは難しい項目です。食費を削る必要があるなら、食品の使い切りを徹底したり、食費として使う限度額を世帯で相談して定めたりなど、工夫をして取り組みましょう。
 

出典

帝国データバンク 「食品主要105社」価格改定動向調査(8月)
総務省 家計調査 令和4年7月
総務省 家計調査 令和3年
厚生労働省 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省 2020年基準消費者物価指数2022年(令和4年)7月分
 
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー

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