更新日: 2022.10.24 介護
介護資金っていくら必要? 準備にはどんな方法がある?
しかし、いつから介護資金の準備を始めればよいのかは、分かりにくいものです。また、介護資金はどのぐらい必要になるのでしょうか?
そこで、本記事では介護資金が必要になる年齢や、介護資金を準備する方法、どのぐらいの金額が必要なのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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介護はいつから必要になるの?
親や配偶者、自分自身の介護など、高齢になると介護を受けずに一人で生きていくのは難しくなります。では、介護は何歳ごろから必要になるのでしょうか?
「令和3年度介護給付費等実態統計」によると、介護保険サービスの利用者は男女ともに80歳を超えると急激に増える傾向です。具体的には、75~79歳まで男性が8.1%、女性は9.4%ですが、80~84歳になると男性が15.2%、女性は21.5%と倍増します。
この結果を踏まえると、介護が必要になる年齢の一つの目安は、男女ともに80歳ごろと考えておくとよいでしょう。
介護資金はいくら必要?
「令和3年度生命保険に関する全国実態調査」によると、介護を必要とする期間は平均約5年1ヶ月(61.1ヶ月)でした。
介護を行う場所には、主に自宅と、特別養護老人ホームなどの公的な施設、有料老人ホームなどの民間の施設があります。
同調査によると、自宅での介護に際して、介護のために住宅改造したり介護用ベッドを購入したりした場合の、一時的にかかった費用の合計額は、平均74万円です。
また、介護にかかった月々の費用は、自宅で平均4万8000円、施設で平均12万2000円となっています。
この金額を、単純に5年1ヶ月(61.1ヶ月)で計算すると以下のようになります。
●自宅での介護……367万2800円
●施設での介護……745万4200円
もしも民間の施設で介護が行われる場合、施設によっては多額の入居一時金が必要になる場合もあるため、5年1ヶ月(61.1ヶ月)でかかる費用はさらに大きくなる可能性があります。
いずれにしても、介護には多額の資金が必要になる傾向です。
介護資金を準備するなら早めがいい。その方法とは?
介護には多額の資金が必要となるため、その資金の準備は、できるだけ早いうちから始めるのが理想です。では、どのように準備すればよいのでしょうか?
預貯金で準備する
定期預金などを利用して、毎月積み立てる方法です。定年後は、現役時代より収入が少なくなる可能性が高いため、60歳ごろまでを積み立て完了の目安とするとよいでしょう。
ただし40代ぐらいまでは、介護資金よりも緊急性のある住宅資金や教育資金が必要な人も多いでしょう。緊急性のある資金の準備のめどがたったら、無理せず、少しずつでも貯めていくことが重要です。
NISAやiDeCoを運用して準備する
少額投資非課税制度のNISAや、個人型確定拠出年金であるiDeCoの活用も、介護資金を準備する有効な方法です。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が、非課税になる制度です。「一般NISA」と「つみたてNISA」がありますが、特に「つみたてNISA」は、最長20年間、年間40万円まで非課税で少額投資ができるため、投資初心者向きの内容になっています。
ただし、預貯金とは異なり元本割れのリスクもあるため、注意しましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資金を効率的に作るための私的年金制度の1つです。国民年金や厚生年金に加入している方なら誰でも加入でき、自分で選んだ金融商品を長期にわたって運用します。
また、iDeCoは60歳までは原則引き出せないため、介護資金としての活用も考えやすいかもしれません。ただし、iDeCoも元本割れのリスクがあることに注意しましょう。
介護資金はできるだけ早くから準備し始めよう!
老後の介護には、思ったよりも多額な資金が必要です。しかし、家計をしっかりと見直して無駄な出費を減らし、毎月決まった金額を着実に貯めたり、NISAやiDeCoなどの制度をうまく利用して資産を運用したりすれば、必要最低限な介護資金を準備することも難しくないでしょう。
出典
厚生労働省 令和3年度介護給付費等実態統計 結果の概要
公益財団法人生命保険文化センター 令和3年度生命保険に関する全国実態調査
金融庁 NISAとは
厚生労働省 iDeCoの概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部