更新日: 2022.10.28 セカンドライフ

定年後の生活費は「持ち家あり」「賃貸」でそれぞれどのくらい必要?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年後の生活費は「持ち家あり」「賃貸」でそれぞれどのくらい必要?
定年後の生活にかかる費用を予想した場合に「貯蓄など、年月をかけて積み上げてきた資産で生活費が足りるのか」と心配になる人もいるでしょう。そこで本記事では、自宅について「持ち家あり」「賃貸」でそれぞれ、どのくらいの費用が必要になるのかを解説します。
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老後の生活に必要な費用はどのくらい?

総務省統計局が発表した「家計調査年報(家計収支編)2021年家計の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の1ヶ月平均での費用は、実収入は23万6576円、消費支出は22万4436円で住居費は1万6498円、不足分は1万8525円でした(図表1)。
 
図表1

出典 総務省統計局 家計調査年報
 
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)では、実収入は13万5345円、消費支出は13万2476円で住居費は1万3090円、不足分は9402円でした。
 

持ち家ありの場合は?

総務省「平成30年住宅・土地統計調査」によると65歳以上の高齢者のいる世帯について住宅の所有の関係別にみると、持ち家が1848万9000世帯(高齢者のいる世帯に占める割合82.1%)、借家が400万9000世帯(同 17.8%)でした。
 
持ち家がある夫婦の場合には「住宅ローンの残債」があるかどうかで老後の生活費が変わります。その他に毎年かかる「固定資産税」、数年から数十年ごとにかかる「外壁・内部の設備などの修繕費用」や「火災保険料」がどのくらいかかるかも考えておく必要があります。
 
マンションなどに住んでいる場合は「管理費」「修繕積立金」も計算に入れましょう。国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」では、駐車場使用料等からの充当額を含む月/戸当たりのマンション管理費の総額の平均は1万5956円、駐車場使用料等からの充当額を含む月/戸当たり修繕積立金の総額の平均は1万2268円です。
 

賃貸住居の場合は?

賃貸住居の場合は「毎月の家賃」「契約更新時に支払うさまざまな費用」「引っ越しする場合の費用」を考える必要があります。総務省「平成30年住宅・土地統計調査」によると借家の1ヶ月当たり家賃・間代の平均は5万5675円で、仮に20年住んだ場合の家賃だけでも1336万2000円です。
 
持ち家と比べて固定資産税はかかりませんが「家賃と諸費用(共益費など)」が毎月かかり、数年おきの契約更新料・火災保険料などの大きな出費に備えておかなくてはいけません。将来、介護施設や高齢者向け住宅に引っ越す必要が出てくることも考えられる場合には「引っ越し費用」と「支払えそうな家賃額」も考えておくと良いでしょう。
 

必要な老後資金額を試算するポイントは?

持ち家・賃貸にかかわらず、自分たちに必要な老後資金額を計算する場合のポイントは「老後はどんな生活をしたいか」「何歳まで働き続けたいか」によって変わってきます。
 
前述の「家計調査年報(家計収支編)2021年家計の概要」では、夫婦世帯・単身世帯での毎月生活費に1万円強の不足が出ています。この不足分を貯蓄や投資、働き続けることで補ってゆくことを検討するのも良いでしょう。
 

まとめ


 
持ち家と賃貸では、毎月支払う費用や大きな支出が必要な時期が異なります。老後の生活を持ち家・賃貸のどちらに住むかを検討するため、そして将来の老後資金がどのくらい必要か知るためにも「現時点での生活費はいくらか」「将来の年金はどのくらいもらえるのか」を把握しておくことが大切になってきます。
 
生活費の収支バランスを見て、赤字になりそうなら「削れる出費はあるか見直してみる」「短時間から働き、収入の減少をなるべく抑える」ことを検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

総務省統計局 家計調査年表 (家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要
総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査
国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 

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