更新日: 2022.11.05 その他老後

「おひとりさま」が用意するべき老後資金の目安はいくら?「持ち家あり・なし」で解説

「おひとりさま」が用意するべき老後資金の目安はいくら?「持ち家あり・なし」で解説
老後資金というと夫婦2人世帯を前提に計算されることがありますが、2022年現在の日本では50歳時点での未婚率が上昇しています。
 
独身世帯は1人分の年金しかもらえないため、必要な老後資金は個人差が大きいです。本記事では、生涯独身の人が用意しておくべき老後資金の目安について解説します。
北川真大

執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)

2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種

2級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員一種

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老後の平均生活費

必要な老後資金を計算する前に、老後の生活費がどれくらいかかるか確認する必要があります。
 
総務省が2021年に発表した家計調査を基に、持ち家がある場合とない場合にわけてシミュレーションしてみましょう。
 

持ち家がある場合

持ち家がある場合の平均生活費は、およそ月15万円(年間180万円)です。内訳は表1の通りです。
 
表1 65歳以上単身世帯の平均生活費

費目 金額
食費 3万7000円
住居費 1万3300円
水道光熱費 1万2700円
日用品購入費 5300円
被服費 3300円
医療費 8800円
交通費 7700円
通信費 6200円
娯楽費 1万3000円
交際費 1万5200円
そのほか諸費用 1万4700円
非消費支出(税金や保険など) 1万2300円
合計 14万9500円

※総務省統計局 2021年家計調査を基に筆者作成(100円未満四捨五入)
 

持ち家がない場合

総務省の資料によると、2021年の調査で持ち家がない65歳以上の独身世帯は約20%です。持ち家がない人は住宅修繕費や固定資産税などの負担がない代わりに、家賃を負担しなければいけません。
 
持ち家がない人が家賃5万円の物件に住む場合、平均生活費は月18万6200円(年間約223万円)です。
 

もらえる年金額

もらえる年金額は、収入や厚生年金の加入期間、国民年金の減免の有無などによって異なります。正確な金額は、日本年金機構の「ねんきんネット」へ登録すると確認できます。
 
マイナンバーカードがある人は、スマートフォンアプリ「マイナポータル」とねんきんネットを連携すると便利でしょう。マイナンバーカードを読み取り可能なスマートフォンにかざすだけで、将来の年金見込み額が確認できます。
 
ねんきんネットへの登録や連携ができない人は、おおよその金額であれば計算できます。2022年時点での国民年金の満額はおよそ月6万5000円(年間78万円)です。厚生年金は、2003年4月以降に加入している人は以下の式により計算できます。
 
平均標準報酬額×0.005481×加入期間(月数)
 
平均年収400万円の会社員や公務員の場合、38年間勤務すれば厚生年金はおよそ月7万円(年間83万円)です。学生時代に国民年金の免除を受けていなければ、もらえる年金の合計額は月13万5000円(年間162万円)です。
 

持ち家がない場合は1200万円以上必要

平均生活費と年金の受給額から計算すると、必要な老後資金の目安は以下の通りです。なお、男性と女性の平均寿命を参考に85歳まで生きると仮定して計算しています。


持ち家あり:360万円
持ち家なし:1220万円

ここでは60歳まで会社員や公務員として働くことを想定しています。自営業者の場合は、持ち家があっても2000万円以上の老後資金が必要です。
 
老後2000万円問題が一時期話題になりましたが、個々の年金額や生活費によって状況は大きく異なります。老後に不安がある人は、一度ねんきんネットで将来の年金額を確認して、必要な老後資金を計算してみましょう。
 

出典

厚生労働省 2021年国民生活基礎調査の概況
総務省統計局 2021年家計調査(1世帯当たり1か月間の収入と支出、単身世帯・勤労者世帯)
 
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種

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