定年後に住宅購入はあり? メリットと注意しておきたいこととは?
配信日: 2022.11.13 更新日: 2022.11.14
そこで、本記事では定年後に住宅購入する人の割合などを紹介しながら、購入するメリットや注意点を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
定年後に住宅購入する人は多い?
「住宅購入」と聞くと結婚して子どもができるタイミングで検討するイメージがある人もいるでしょうが、定年後に購入する人も少なくありません。定年後の住宅購入の場合は、初めてでなく2回目以上の住宅購入する人が多い傾向です。
国土交通省が2022年3月に公表した「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」によると、住宅の二次取得で最も多い世帯主の年齢は60歳以上でした。特に多かったのが注文住宅で、二次取得者全体の55.5%を占めています。次いで、多かったのは中古マンションの51.8%です。
一方、新築マンションや中古一戸建てでも、それぞれに全体の40%以上を占めていることから、定年後に住宅を購入する人は多いと判断できます。
定年後に住宅購入する3つのメリット
定年後に、住宅を購入する主なメリットは「相続税対策になる」「資産を残せる」「老後を考慮した環境で暮らせる」などです。ここでは、それぞれのメリットを解説します。
相続税対策になる
定年後に住宅を購入することで、相続税対策になる可能性があります。一般的に、宅地の部分(土地)の評価額は、道路に面している宅地の1平方メートルあたりの千円単位の価額「路線価」で算出されるため、現金のまま相続するよりも税金を抑えられる可能性があるのです。路線価で算出される価格は、公示価格の8割程度が水準とされているため、その分相続税も抑えることが期待できます。
資産を残せる
子どもや孫に資産を残せる点もメリットの一つです。例えば、人気エリアにマンションを購入すれば、資産価値の高い不動産を残すことができます。相続後に子どもが住んだり、売却したりする方法もありますが、立地がよければ投資用不動産として家賃収入を得ることも可能です。
老後を考慮した環境で暮らせる
定年後の生活を考慮した環境で暮らせるのもメリットです。例えば、今住んでいる家が広く、部屋が多すぎて管理しきれないなどの悩みがあるなら、コンパクトで暮らしやすい住宅を購入できます。また、終の棲家として自分の趣味に囲まれた家や、パートナーが望む趣向を凝らした家にすることも可能です。
さらに、通勤の必要もなくなるため、のんびりと暮らせる土地を選ぶのもよいでしょう。このように、自分たちが望む老後を考慮した環境を手に入れることができます。
定年後に住宅購入する注意点はお金の問題
定年後の住宅購入では、一定以上の自己資金が必要になる点は押さえておきましょう。なぜなら、一般的な住宅ローンの完済時期として設定されるのは80歳前後だからです。
例えば、65歳で住宅ローンを利用して購入する場合、返済年数は15年前後でしか組むことができません。そのため、購入する住宅の金額によっても異なりますが、一括で支払ったり、まとまった頭金を入れたりすることが必要です。
住宅ローンの組み方によっては、返済期間が短く毎月の返済金額が多くなると、ゆとりのある老後生活が送れない可能性もあります。また、退職金を住宅購入に充当する可能性もあるため、セカンドライフの生活を十分に考慮したうえで検討することが必要です。
定年後の住宅購入はメリットが多い! 注意点も考慮して検討しよう
定年後の住宅購入では、「資産を残せる」「相続税を抑えられる」など子どもや孫にとってメリットになることがたくさんあります。また、自分やパートナーが望む環境で暮らせる点も魅力です。ただ、完済時期などの影響で住宅ローンを組みづらいため、まとまったお金が必要になります。
退職金や貯金があるからといって、多くを住宅購入に充当することはおすすめできません。なぜなら、急病や事故など万が一の際にある程度まとまった現金がないと路頭に迷ってしまう可能性があるからです。
また、家を購入すると固定資産税や維持費もかかるため、定年後にどの程度の収入が見込めるかなど収支を十分に考えて慎重に検討しましょう。
出典
国土交通省 令和3年度 住宅市場動向調査報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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