更新日: 2022.11.25 その他老後
コロナ禍で「70歳以上」にもネットショッピング利用が増加!支出が増えている項目とは?
総務省統計局では、2021年の家計消費状況調査の結果を公表しており、ネットショッピングへの支出状況についてまとめています。みんなはどんなものをネットで購入しているのでしょうか。結果を見てみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ネットショッピングを利用した世帯は2021年には5割を超える
ネットショッピングを利用した世帯は年々増えており、2011年では19.9%であったのが、2021年では52.7%と半数を超えています。今ではネットショッピングは一般的な購買行動となっていると言えるでしょう。
2021年のネットショッピングの平均支出金額は、1ヶ月あたり1万8727円と、2020年と比べて名目増減率が14.6%増加しています。ネットショッピング利用世帯あたりの支出金額は1ヶ月平均3万5470円で、前年比6.3%増となりました。
中でも「食料」は対前年名目増減率が2020年で55.9%、2021年で36.4%となっており、コロナ禍で食料をネットスーパー等で調達するようになった人が増えたと考えられます。一方で、「旅行関係費」は2020年が前年比マイナス51.7%と大きく減少し、2021年でも前年比マイナス6.4%と減少傾向にあり、ネットショッピングにおいてもコロナ禍の影響が顕著となっています。
世帯主の年齢別でみると、2021年は70歳以上が27.6%と飛び抜けて増加しており、70歳以上で急速にネットショッピングをする人が増えたことがうかがえます。
ネットショッピングにおいてもコロナ禍の影響が顕著に表れる
コロナ前の2019年と比較すると、2021年は「食料」が112.6%増で最も高くなっており、次いで「贈答品」が65.7%増えています。外出を避けるため、日々の食品をネットで購入するようになった人が増えたことが見てとれます。
また、贈答品であれば、ネットの方が選びやすく、送り先も指定できるので、ネットにシフトしやすいのでしょう。一方、コロナ前から減少したのは「旅行関係費」(マイナス54.7%)、「チケット」(マイナス33.5%)で、外出自粛の影響が大きかったことがわかります。
2021年のネットショッピングによる支出のうち、最も伸びている「食料」の内訳を見ると、「出前」の項目が2020年で前年比97.8%、2021年で47.8%と大きく伸びています。コロナ禍で外食する代わりに、デリバリーで飲食店から注文する人が増えたことがわかります。
また、食料のネットショッピングの支出金額は、70歳以上が71.0%と大きく増加しています。70歳未満の年代は3割前後になっていることから、コロナ禍を機に、これまで食料の調達にネットを使っていなかった70歳以上がネットショッピングをし始めたと考えられます。
70歳以上で文化活動についてもネットショッピングの利用が増加
2021年のネットショッピングによる支出のうち、「教養関係費」を見てみると、「チケット」が前年比45.4%増、「ダウンロード版の音楽・映像、アプリなど」が32.8%増、「電子書籍」が28.7%増など、全ての項目で増加となりました。「チケット」は2020年では前年比マイナス54.2%と、コロナ前の2019年から大きく落ち込みましたが、2021年には回復傾向にあるようです。
年齢別にみると、教養関係費は70歳以上が前年比38.4%増で、全体平均の19.3%増に比べて約2倍の伸びとなっており、芸術鑑賞や読書等の文化活動を積極的に行っていることがうかがえます。
このように、コロナ禍でネットでの購買活動が活発となり、これまでネットショッピングをしたことがなかった高年齢層での利用が増えたことが明らかとなりました。ネットショッピングは、一度使い始めたらその利便性に気づくことでしょう。ただし、実店舗で宝探しをするような楽しさも忘れたくないですね。
出典
総務省統計局 2021年 家計消費状況調査 結果の概況 ネットショッピングの状況
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部