更新日: 2022.11.25 老後

60~65歳で再雇用後の給与相場はどれくらい? 給与の減少を避ける方法は?

60~65歳で再雇用後の給与相場はどれくらい? 給与の減少を避ける方法は?
現在の日本では高齢者雇用安定法の規定によって、企業に70歳までの定年引き上げをはじめ、60歳以上でも働ける環境作りを義務付けています。しかし、給与に関しては60歳以前のレベルを維持することは義務付けられていないため、現状では再雇用後の給与は減少するのが一般的です。
 
そこで本記事では、再雇用後の給与相場や、給与の減少を少しでも補う方法について解説します。60歳以上でも働きたいとお考えの方は、ぜひご一読ください。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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高齢者雇用の実態

現在、日本の企業には令和3年4月1日より改正・施行された「高年齢者雇用安定法」によって、以下3点のいずれかを実施することが義務付けられています。
 

●70歳までの定年の引き上げ
●70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度等)の導入
●定年制の廃止

 

60〜65歳の再雇用の現状

厚生労働省の令和3年「高年齢者雇用状況等報告」によると、令和3年6月時点で従業員31名以上の企業のうち99.9%が、上記3点(改正前の65歳まで)のうちいずれかの措置によって65歳まで働くことを可能としています。この結果から、65歳までの就業に関しては十分に浸透しているといえます。
 
3点の措置方法のうち、各企業が実施している割合は下記のとおりです。
 

●65歳までの定年の引き上げ:24.1%
●65歳までの継続雇用制度の導入:71.9%
●定年制の廃止:4.0%

 

66歳以上の再雇用の現状

厚生労働省の同調査によると、66歳以上まで働ける制度がある企業は38.3%で、措置方法の内訳は以下のとおりです。
 

●66歳以上の継続雇用制度(希望者全員):9.3%
●66歳以上の継続雇用制度(基準該当者)11.1%
●定年制の廃止:4.0%
●66歳以上の定年:2.9%
●その他の66歳以上働ける制度:11.1%

 
国は70歳まで働ける環境への努力義務を企業に求めていますが、上記の結果から66歳以上が働ける環境でもまだ整備の途上だといえるでしょう。
 

60〜65歳の再雇用後の給与相場と給与の減少を避ける方法

上記から、日本では60〜65歳が働ける環境はすでに整っているといえます。しかし、(独)労働政策研究・研修機構の「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると、令和元年5~6月に常用労働者50人以上を雇用している企業5891 社を対象とした調査では、60代前半の継続雇用者の雇用形態は嘱託・契約社員57.9%、正社員41.6%、パート・アルバイト25.1%という結果で、半数以上はいわゆる非正規雇用社員としての再雇用です。
 
次に、60〜65歳までの労働者に対する賃金の相場について解説します。
 

60〜65歳の再雇用後の給与相場

国税庁が公表している令和2年度「民間給与実態統計調査」のデータによると、年齢別の給与平均額は図表1のとおりです。
 
【図表1】
 

年齢層 給与額(年)
55~59歳 518万円
60~64歳 415万円
65~69歳 332万円
70歳~ 285万円

 
国税庁長官官房企画課「令和2年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」より筆者作成
 
上記のデータから現役世代のピーク時である55~59歳未満の給与額を100とした場合、60歳以上の給与額の比率は以下のとおりです。
 

●60~64歳:80.1%
●65〜69歳:64.1%
●70歳〜:55.0%

 
この結果から、55~59歳のピーク時を境に60歳から年齢が上がるにつれて、給与が下がることが分かります。
 

再雇用後の給与減少を避ける方法

再雇用や継続雇用によって、60歳以上になっても働き続けるとそれ以前の給与の約80%に減額することが分かりました。
 
この減額分を少しでも補うためには、「高年齢雇用継続基本給付金」や「高年齢再就職給付金」を利用しましょう。給付制度の受給資格や期間などは図表2のとおりです。ただし、勤務先を退職していわゆる失業保険の給付を受けている場合と、継続して勤務している場合とで受けられる給付金の種類が違うので注意しましょう。
 
【図表2】
 

高年齢雇用継続基本給付金 高年齢再就職給付金
受給資格 雇用保険で給付される基本手当を受け取っておらず、60歳時点の賃金(上限と下限がある)と比較して、60歳以後の賃金が75%未満で以下2つの条件を満たす方

・60歳以上65歳未満の一般被保険者
・被保険者であった期間が5年以上

基本手当を受給し60歳以降に再就職して、・再就職後に支払われる各月の賃金が基本手当の基準となった賃金日額×30日分の75%未満となった方で以下5つの要件を満たした方

・60歳以上65歳未満の一般被保険者
・基本手当についての算定基礎期間が5年以上
・再就職した日の前日において基本手当の支給残日数が100日以上
・1年を超えて確実に引き続き雇用されることが認められる安定した職業に就いた
・ 同一の就職について、再就職手当の支給を受けていない

期間 被保険者が60歳に達した月~65歳に達する月まで
※各月の初日~末日まで被保険者であることが必要
再就職した日の前日における基本手当の支給残日数により異なる
・200日以上のとき:再就職日の翌日から2年を経過する日の属する月まで
・100日以上200日未満のとき:・再就職日の翌日から1年を経過する日の属する月まで
 
※被保険者が65歳に達した場合は、期間にかかわらず65歳に達した月まで
※各月の初日~末日まで被保険者であることが必要
支給額 ・60歳以上65歳未満の各月の賃金が60歳時点の賃金の61%以下:各月の賃金の15%相当額
・60歳時点の賃金の61%超75%未満:その低下率に応じて、各月の賃金の15%相当額未満の額
※各月の賃金が36万4595円(毎年8月1日に変更)を超える場合は支給されない
再就職先の賃金月額が、基本手当の基礎となった賃金日額×30日分の75%未満である場合に、再就職先の賃金月額の15%を限度として支給

 
厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」、ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」、北海道ハローワーク「高年齢再就職給付金とは」より筆者作成
 

再雇用後の給与減少は避けられないが、カバーすることは可能

60歳以降に同じ勤務先に継続雇用される場合や退職してから再就職する場合は、いずれも給与は大幅に減少します。それを補うのは「高年齢雇用継続基本給付金」や「高年齢再就職給付金」ですが、減少した金額を全額補てんできるわけではありません。
 
60歳以降も勤務したいと考えている方は、給与に関しては減少することを前提に老後の計画を立てましょう。
 

出典

厚生労働省 高年齢者の雇用

厚生労働省 令和3年「高年齢者雇用状況等報告」集計結果

独立行政法人労働政策研究・研修機構 高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)

国税庁長官官房企画課 令和2年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-

厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~

ハローワークインターネットサービス 雇用継続給付

北海道ハローワーク 高年齢再就職給付金とは

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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