更新日: 2022.12.05 セカンドライフ

定年後は町を離れ「山暮らし」!最低限必要な費用はいくら?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年後は町を離れ「山暮らし」!最低限必要な費用はいくら?
「定年後は町を離れて山で暮らしたい」と考える方もいるでしょう。山暮らしの主な費用には、山小屋の購入費と日々の生活費が挙げられます。山小屋はメーカーから購入するのが現実的です。日々の生活費は、食料の一部を自給自足することで削減できるかもしれません。
 
では、具体的にどのくらいの金額が必要なのか。市販されている山小屋の価格と、65歳以上の単身無職世帯の平均的な実収入や支出をもとに試算します。
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山小屋っていくらで買えるの?

山小屋作りには材料や建設に関する専門知識や技能が必要なため、初心者が自分の力だけで建設するのは現実的ではありません。そのため、メーカーに発注することになりますが、費用をなるべくかけたくないという人にはログハウスキットの購入が推奨されます。
 

・ログハウスキットって何?

ログハウスキットを注文すると、メーカーからログハウスの材料一式が送られてきます。そのため、自分で材料を用意する必要がありません。届いたキットはマニュアルに従って自分で組み立てます。このような方式のため、材料を自分で調達する手間や施工費の大幅な削減が可能です。その特性から、初めてログハウスを建てる人や初期費用を抑えたい人向きであるといえます。
 

・ログハウスキットの価格

ログハウスキットの価格は、ログハウスの坪数などによって異なるのが一般的です。そのため、トイレや浴室スペースがない3坪程度のワンルームタイプであれば100万円程度から購入できますが、トイレや浴室スペースがある14坪の1LDKタイプになると600万円程度の価格になるものもあります。
 
なお、ログハウスキットでは、トイレや浴室などの外部キットを加えたり内部に設置したりする場合には、そのための費用が別途必要です。
 

年金の平均受給額と単身世帯の平均支出はどれくらい?

厚生労働省と総務省の統計資料で、平均年金月額と65歳以上の単身無職世帯における実収入および支出の平均額を見ていきます。
 

・平均年金受給額

厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2020年度の国民年金受給権者の平均年金月額は5万6000円、厚生年金受給権者の平均年金月額は14万4000円です。
 

・実収入と支出の平均額

総務省の家計調査(2021年度)によると、65歳以上の単身無職世帯の実収入(月額)の平均は13万5345円でした。そのうち、12万470円が年金などによる社会保障給付で、その他の収入が1万4875円となっています。一方、支出の平均は税金や社会保障費などの非消費支出が1万2271円、消費支出は13万2476円です。そのため、収入から支出を引いた不足分は9402円ということになります。
 

・支出の内訳

65歳以上の単身無職世帯における支出の内訳は、食料が27.4%、住居費が9.9%、光熱・水道費が9.5%、家具・家事用品が3.8%、被服と履物が2.2%、保健医療が6.4%、交通・通信費が9.2%、教養・娯楽費が9.5%、交際費11.6%、その他の消費支出が10.4%です。
 

定年後の山暮らしに必要な金額とは?

定年後に年金を受給しつつ自給自足の要素も取り入れながら山暮らしをする場合、以下のような金額が必要になると考えられます。なお、土地代は地域による価格差が大きいため、当金額には含まれていません。
 

・11万円弱は必要か

山暮らしには山小屋が必要です。メーカーから送られてきた材料を自分で組み立てるログハウスキットであれば、100万円台から購入できます。また、前項目で記したように65歳以上の単身無職世帯の消費支出(月額)の平均は13万2476円で、最も割合が大きいのは食料(27%)でした。
 
総務省の家計調査によると、2021年の2人以上世帯の1人当たり生鮮野菜支出金額の平均は2万4267円です。そのため、自分で野菜を栽培していれば、1人当たり生鮮野菜支出金額と同程度の食費の削減も不可能ではないかもしれません。
 
このようなことから、定年後の山暮らしに必要な金額は初期費用として最低でも100万円程度、その後の生活費として最低でも月額10万8000円程度は必要と考えられます。
 

定年後の山暮らしのためにさまざまな知識や技能を身に付けておこう

山暮らしをするには初期費用に最低でも100万円程度、その後の生活費として最低でも月額10万8000円程度は必要です。とはいえ、当金額は現時点(2022年)のログハウスキットの価格や、65歳以上の単身無職世帯の平均的な生活費からの試算にすぎません。
 
ログハウスの材料である木材価格は将来的に変動する可能性もありますし、野菜の他に米やシイタケなども栽培すれば生活費の削減とともに収入増も期待できます。なるべく少ない費用で定年後の山暮らしに挑戦するには、木材価格などにも目を向けながら、さまざまな知識や技能を身に付けておくことが大切です。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告2021年(令和3年)平均結果の概要
厚生労働省 令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
独立行政法人農畜産業振興機構 令和3年の生鮮野菜の消費動向(令和3年1-12月家計調査)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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