更新日: 2022.12.06 介護

「サービス付き高齢者向け住宅」とは? 老人ホームとどう違うの?

執筆者 : 田久保誠

「サービス付き高齢者向け住宅」とは? 老人ホームとどう違うの?
年を取ってきて、今住んでいる自宅での暮らしがつらくなってきた・・・そんなとき、いくつか住み替え候補が挙がると思いますが、比較的お元気な方の場合、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を検討される方も多いかと思います。今回はサービス付き高齢者向け住宅について見ていきましょう。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

サービス付き高齢者向け住宅とは

サービス付き高齢者向け住宅とは、通称「サ高住」と呼ばれ、いわゆる高齢者向け賃貸住宅のことです。生活に不安がある方の支援や安否確認、生活相談サービスを提供する施設で、一般型と介護型に分かれます。
 
また、通常の賃貸マンションに加えて下記のような特徴があります。
 

●自立または比較的軽度の介護が必要な状態の高齢者を対象としている
●スタッフによる安否確認や生活相談のサービスが受けられる
●バリアフリー仕様で各居室に台所やトイレ、浴室が付いている建物もあり高齢者向けの設計である
●終身建物賃貸借制度の措置がある 
などの点が特徴として挙げられます。

 

入居要件や費用は?

サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の高齢者、または要介護認定を受けた60歳未満の方が対象で、入居の際に賃貸借契約を結びます。また、契約を結ぶと一般的な賃貸住宅のように礼金はありませんし、契約の更新もありません。
 
また、同居できる方の条件として、配偶者(事実婚も含む)、60歳以上の親族、要支援・要介護認定を受けている親族、特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者等があり、その他「自己管理、自立した生活ができる」「認知症ではない」など、施設ごとに異なっています。
 
介護型の場合は、寝たきり等の要介護度の重い方、認知症の方を受け入れる体制も整っていますが、一般型の場合、介護・医療ケアの体制は施設によって大きく異なるため、入居する際に確認する必要があります。
 
【表1】
 
    
 
連帯保証人になる方がいない場合は、高齢者住宅財団の家賃債務補償制度を利用する方法があります。また、成年後見人が必要となる場合があります。
 
上表の入居一時金や月額費用はあくまでも一例で、その施設ごとによってまちまちです。
 

どのようなサービスが受けられるの?

サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービスの内容は以下のとおりです。
 

(1) 安否確認

スタッフが居室を訪問する見守りサービスです。時間や頻度は施設によって異なり、スタッフがいない夜間は、緊急通報システムにより対応します。
 

(2) 生活相談

常駐しているスタッフが、生活の中の困りごとについて、介護福祉士、看護師などケアに関する専門資格を持っているスタッフが対応します。
 
その他、任意に提供されるサービスとして食事サービスや生活支援サービス等がありますが、施設によって異なります。
 
また一般型の場合、生活支援や食事提供、介護、リハビリ、レクリエーション等が外部となりますが、介護型にはそれらに対応している施設が多い傾向です。
 

サ高住のメリット・デメリットは?

メリット・デメリットは表2のようになります。
 
【表2】
 

 

ご自身に合った施設を探すと、その後より良い生活が送れるかも

今回はサ高住についてのお話でしたが、これ以外にも有料老人ホーム等、他の施設もあります。「本当は最期まで自宅で」と思っていてもそれがかなうかどうかは分かりません。まだ元気なうちから、ご自身にあった施設を調べるのもよいかもしれませんね。
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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