更新日: 2022.12.13 その他老後

「老人ホーム」の種類はいろいろある。それぞれの特徴と費用は? 選び方はどうすればいい?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「老人ホーム」の種類はいろいろある。それぞれの特徴と費用は? 選び方はどうすればいい?
「老人ホーム」と一口に言っても、公的な施設や民間施設など、多くの種類に分かれています。そのため、入居を考えたときに情報を整理するのが難しく、困っている人もいるのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、老人ホームの種類別に主な特徴や費用相場をまとめるとともに、選び方のポイントも解説します。老人ホームを選ぶときの参考として、ぜひ活用してください。
FINANCIAL FIELD編集部

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老人ホームは大きく分けて6種類

 
一般に「老人ホーム」と呼ばれる施設は、主な運営母体の違いから、公的施設と民間施設の2つに分けられます。さらに、基本的な施設の性質や利用できる介護保険、対象者などの違いから、次の6種類に大きく分類されています。
 

《公的施設》

●特別養護老人ホーム
●養護老人ホーム
●軽費老人ホーム

 

《民間施設》

●有料老人ホーム
●サービス付き高齢者向け住宅
●認知症高齢者グループホーム

 
各施設の特徴を見てみましょう。
 

公的施設

公的施設に分類される老人ホームには「特別養護老人ホーム」「養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」の種類があります。これらの施設を運営するのは主に、地方公共団体や社会福祉法人(※軽費老人ホームは都道府県知事の許可を受けた法人が運営する場合もあります)です。各施設の主な特徴を、図表1にまとめました。
 
図表1
 

施設の分類 施設の性質 定義 対象者 利用できる介護保険
特別養護老人ホーム 要介護高齢者の生活施設 入居者の日常生活や療養上の世話、機能訓練、健康管理などを目的とする施設 65歳以上で心身の著しい障害のために常時介護が必要で、自宅で介護を受けられない人 介護福祉施設サービス
養護老人ホーム 環境的、経済的に困窮状態にある高齢者の施設 入居者の日常生活や療養上の世話などをするとともに、自立した生活や社会活動への参加に必要な指導や訓練、援助を行うことが目的の施設 65歳以上で、環境的、経済的な理由で自宅で世話を受けられない人 特定施設入居者生活介護・訪問介護、通所介護などの居宅サービス
軽費老人ホーム 低所得高齢者の住居 無料または低額で、食事の提供や日常生活に必要な便宜を図ることが目的の施設 60歳以上の身体機能の低下などによって自立した生活を営むのに不安が認められる人で、家族からの援助を受けられない人

 
筆者作成
 

民間施設

民間施設に分類される老人ホームは「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「認知症高齢者グループホーム」の3つです。これらの多くは営利法人が運営しています。各施設の主な特徴は、図表2のとおりです。
 
図表2
 

施設の分類 施設の性質 定義 対象者 利用できる介護保険
有料老人ホーム 高齢者の住宅 入浴、排せつ、食事の介護・食事の提供・家事・健康管理のいずれかを提供する事業を行う施設 (社会通念上の)老人 特定施設入居者生活介護・訪問介護、通所介護などの居宅サービス
サービス付き高齢者向け住宅 高齢者の住宅 状況把握サービスなどの福祉サービスを提供する住居 60歳以上または要介護/要支援認定を受けている60歳未満の単身または夫婦世帯
認知症高齢者グループホーム 認知症高齢者の共同生活住居 入浴、排せつ、食事等などの介護、日常生活の世話、機能訓練を行う共同生活の住居 要介護者/要支援者かつ認知症の人 認知症対応型共同生活介護

 
筆者作成
 

老人ホームの種類別のおおよその費用

 
老人ホームを利用する際には、入居費用と月額費用がかかります。施設の種類や地域、サービス内容などによって変わってきますが、おおよその費用相場は図表3のとおりです。
 
図表3
 

施設の種類 入居費用 月額費用
特別養護老人ホーム 5~15万円
養護老人ホーム 0~14万円
軽費老人ホーム 0~数百万円 10~30万円
有料老人ホーム 0~数億円 10~40万円
サービス付き高齢者向け住宅 0~数十万円 10~30万円
認知症高齢者グループホーム 0~数十万円 10~25万円

 
筆者作成
 
公的施設のほうが、民間施設よりも費用相場が低い傾向にあります。
 

老人ホームを選ぶときのポイント

 
老人ホームは種類によって、入居対象者やサービスの範囲が異なります。そのため、まずは入居しようとする人の心身の状態で入居できる施設の種類を絞り込むところから始めましょう。そのうえで、施設ごとに次のような条件をチェックして、希望や予算に合う施設を選ぶことが大切です。
 

●サービスや介護、医療の範囲
●住居のスタイルや広さ
●費用

 
自分で選ぶことが難しい場合は、ケアマネージャーなどの専門家に相談することも視野に入れましょう。
 

老人ホームは種類ごとに特徴も費用も異なる

 
老人ホームには多くの種類があり、種類ごとに施設の目的や入居対象者、サービス内容などの特徴や、必要な費用に違いがあります。老人ホームを選ぶときは、種類別の主な特徴を理解して「老人ホーム」という大きなくくりを分類して考えることから始めましょう。そのうえで、心身の状態、希望するサービスや介護、予算などによって施設を比較するのがおすすめです。
 

出典

厚生労働省 介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて

公益社団法人全国老人福祉施設協議会 老人福祉施設・事業所とは

公益社団法人北九州高齢者福祉事業協会 費用(自己負担額)一覧

岐阜市 養護老人ホーム

広島市 養護老人ホーム被措置者費用徴収基準表

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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