更新日: 2022.12.15 セカンドライフ

定年退職後は故郷にUターンしたい。費用はどれくらいかかる? 国や自治体からの補助金は利用できる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年退職後は故郷にUターンしたい。費用はどれくらいかかる? 国や自治体からの補助金は利用できる?
定年退職後は故郷にUターンし、慣れ親しんだ田舎で暮らしたいと考える人にとって、移住資金の一部を支援してくれる制度があれば、非常に助かるのではないでしょうか。
 
実際、地方への移住者を支援するための国や自治体の制度は多数あります。
 
本記事では、故郷へのUターンではどのような費用がいくらぐらいかかるのかに加えて、移住者の支援制度の中に定年後のUターンで活用できる制度があるかどうかについても解説します。
 
ぜひ参考にして、定年後のUターンに向けて資金計画を立てましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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定年退職後のUターン費用の目安

定年退職後に地元にUターンする場合、次のような費用が最低限必要になると考えられます。

・引っ越し費用
・住んでいた家を処分する費用
・新しい住まいを準備する費用(家を買う、実家などをリフォームする、借りるなど)
・生活費

家財の量や引っ越し先までの距離、引っ越す時期などにもよりますが、引っ越しを1回すると5万円程度から多いときは30万円前後の費用がかかります。
 
不動産会社を介して住んでいた家を売却する場合、仲介手数料がかかります。仮に売却額1000万円の場合、売却額の3%強が仲介手数料としてかかるため、30万円以上の費用が必要です。
 
新しい住まいの費用は、実家にそのまま住む場合にはかかりませんが、リフォームして住む場合は、工事する箇所や規模によって100~500万円程度、場合によっては1000万円以上の費用が必要です。
 
家を買う場合は頭金として最低数百万円、返済完了までのトータルでは数千万円の費用が必要となるでしょう。賃貸を借りる場合も、初期費用として数万~数十万円が必要です。
 
また、総務省「2021年家計調査」によると、世帯主が65歳以上で2人以上の世帯の1ヶ月あたりの生活費は平均で約24万円です。男性の平均寿命が81歳、女性平均寿命が87歳ですが、それまで生きると仮定すると、今後の年金収入などと合わせて、約15~20年はこの生活費を賄えるよう、貯蓄を準備するか収入を得られる仕事を見つける必要があります。
 
また、田舎にUターンする場合は、自家用車が必須になるケースが珍しくありません。この場合は自動車の購入費用も計算に入れる必要があるでしょう。
 

定年退職後のUターンで利用できる国・自治体の支援制度はある?

Uターンをする場合に使える可能性がある主な支援制度に、「移住支援金」と「起業支援金」があります。
 

■移住支援金

東京23区に在住する人または東京圏内から通勤する人が東京圏外に移住する際に、移住先の都道府県・市町村が交付金を支給する制度です。
 
地域で中小企業などへ就業することや、移住先の市町村が地域住民と関わりがある者として認めるための条件を満たすことなどが、受給要件となっています。
 

■起業支援金

東京圏外の道府県などが、新たに地域の課題解決に貢献する社会的事業を起業する人などを対象に、支援金を給付する制度です。
 
しかし、これらの支援制度は、特定の中小企業への就職や起業などが要件となっているため、高齢でのUターンで活用するには、ハードルが高い可能性があります。また、このほかの公的な支援は、若年者や子育て世帯を対象にしたものが多く、高齢者が利用できる制度は多くありません。
 
定年後のUターンで利用できる可能性がある制度には、次のようなものがあります。

・機構住みかえ支援ローン
・自治体の定住促進空き家利活用補助金

 

■機構住みかえ支援ローン

所有している住宅を一般社団法人移住・住みかえ支援機構が借り上げることを条件に借りられる、住み替え先の物件を取得するための住宅ローン(フラット35)です。賃料収入が見込めることから、申し込みの際の要件が緩和されることがあります。
 

■自治体の定住促進空き家利活用補助金

住宅を購入する人や賃借する人を対象に、リフォーム費用や賃料の一部を自治体が助成する制度です。
 
このほかにも、生家のリフォーム資金を助成する制度など、各自治体がさまざまな移住支援制度を設けています。年齢などの要件が自治体によって異なるため、Uターンが決まったら、故郷の自治体に使える制度があるかどうか、確認してみるとよいでしょう。
 

定年後のUターンに向けて計画的に貯蓄をしよう

定年後にUターンをする場合、住まいなどの計画次第では、数百万~数千万円単位で資金が必要となります。定年後にUターンをしようと決めたら、現役時代から計画的に貯蓄をすることが大切です。
 
また、Uターンを含めた移住者を支援する制度を、国や各自治体が設けています。年齢制限や、リタイア後の世代にはハードルが高い制度も多いですが、活用できる制度はゼロではありません。
 
故郷で利用できる制度があるかどうか、事前にチェックしておきましょう。
 

出典

総務省 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表(2021年)表番号3-12 (高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別
国土交通省 不動産流通について
国土交通省 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)
内閣官房・内閣府総合サイト地方創生 移住支援金
内閣官房・内閣府総合サイト地方創生 起業支援金
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) 機構住みかえ支援ローン
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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