更新日: 2022.12.19 介護

介護保険「2割負担」の対象が拡大される? そもそも負担額はなぜ人によって違う?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

介護保険「2割負担」の対象が拡大される? そもそも負担額はなぜ人によって違う?
2000年度からスタートした「介護保険制度」。この制度を利用すると、自己負担1割から3割で介護サービスを受けることが可能です。しかし、要介護認定者や介護費用の増大によって、現在、介護保険「2割負担」の対象者拡大が検討されています。高齢者にとっては気になるところではないでしょうか。
 
そこで、本記事では介護保険の負担割合はどうなるのか、負担額が人によって違う理由を解説します。
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介護保険「2割負担」の対象者拡大とは?

介護保険制度は3年に1度、制度内容や料金体系などについての見直しを行います。2022年9月に開かれた厚生労働省の社会保障審議会では、24年度改定予定の介護保険制度の見直しに向けた議論が行われました。そのなかの議題のひとつが、「2割負担の対象者を拡大すること」です。こうした議題の背景には要介護認定者や介護費用が増えていることがあります。
 
しかし、2割負担の対象者を拡大すれば、高齢者の経済的な負担が大きくなることから反対する声も上がっています。
 
また、現在は自己負担がないケアプラン作成を有料化にすることも議題に上がりました。このほかには、「要介護認定1・2の人の給付を市町村の地域支援事業にする」「介護老人保健施設などの多床室の室料負担を保険給付の対象外にする」「福祉用具(つえや歩行器など)を貸与の対象から外す」といったことも検討中です。
 

介護保険負担額は何によって決められるか?

介護保険の自己負担は「介護保険負担割合証」に示されています。介護保険サービスを利用するには、「介護保険被保険者証」と「介護保険負担割合証」が必要です。自己負担額は「1割」「2割」「3割」のいずれかで、全ての人が一律の負担ではありません。
 
65歳以上の人は「1割」、または所得に応じて「2割」「3割」の自己負担になります。40歳から64歳までの人の自己負担割合は1割です。
 
2割の人の負担判定基準は2つあります。1つ目は「65歳以上で本人の前年の合計所得金額が220万円以上」かつ「前年の合計所得金額と前年の年金収入の合計が同一世帯の65歳以上の人数が1人の場合は280万円以上340万円未満、同一世帯の65歳以上の人数が2人以上の場合は合計で346万円以上463万円未満」です。
 
2つ目は「65歳以上で本人の前年の合計所得金額が160万円以上220万円未満」かつ「前年の合計所得金額と前年の年金収入の合計が同一世帯の65歳以上の人数が1人の場合は280万円以上、同一世帯の65歳以上の人数が2人以上の場合は合計で346万円以上」です。
 
3割の人の負担判定基準は「65歳以上で本人の前年の合計所得金額が220万円以上」かつ「前年の合計所得金額と前年の年金収入の合計が同一世帯の65歳以上の人数が1人の場合は340万円以上、同一世帯の65歳以上の人数が2人以上の場合は合計で463万円以上」になります。
 

介護保険「2割負担」拡大を検討中

介護保険の自己負担割合は、65歳以上の人は「1割」、または所得に応じて「2割」「3割」です。また、40歳から64歳までの人の自己負担割合は「1割」です。そのようななか、要介護認定者や介護費用の増大を背景に、「2割負担の対象者を拡大すること」が検討されています。介護保険制度は2024年度に改定予定です。その動きに注目が集まります。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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