更新日: 2023.01.04 セカンドライフ
おひとりさまが老後「働かなくてもいい」のはどんな場合ですか? 年金の「平均受給額」も教えてください
今回は老後を65歳以上の単身世帯と設定し、働かずに暮らしていけるのはどのようなケースなのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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65歳以上(単身世帯)の1ヶ月あたりの支出額は約14.5万円
総務省統計局が発表した令和3年の「家計調査」をもとに、単身世帯では年間でどの程度の支出があるのかを見てみましょう。
・支出で最も多いのは食費
「無職・単身世帯65歳以上」の実支出は月額14万4747円(消費支出13万2476円、非消費支出1万2271円)で年間173万6964円です。実支出の主な内訳は、食費が月額3万6322円、水道光熱費1万2610円、保険医療費が8429円、交際費1万5394円などで、食費が最もかかっています。
・60歳以降の生涯支出額
厚生労働省発表の「令和3年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳となっています。仮に寿命を85歳とすると、65歳からの85歳までにかかる総支出額としては3473万9280円が必要です。
老後に働かずに暮らせる収入額とは
次に、老後(65歳以降)に働かずに生活できるのは、どのようなケースなのかを見てみましょう。
・年金が1ヶ月あたり約14万円あった場合
前述のように、85歳までの支出は3473万9280円で、年額173万6964万円(毎月14万4747円)が必要です。これを年金のみで生活する場合は、日本年金機構によると、老齢基礎年金(満額)の場合は年間77万7792円(月額6万4816円)の受給となるため、厚生年金は年間95万9172円(月額7万9931円)の受給が必要になります。
老齢厚生年金の計算式は「平均年収÷12×0.005481×加入月数」なので、平均年収を出すには「厚生年金の年額×12÷0.005481÷加入月数」に直します。加入月数を456ヶ月(38年)で計算すると、「95万9172円×12÷0.005481÷456ヶ月(38年)=460万5248円」です。老齢基礎年金で足りない分を老齢厚生年金で補う場合は平均年収約460万5248円を得ていなければなりません。
・平均年金月額12万円+貯蓄600万円以上ある場合
総務省統計局の令和3年「家計調査」を見ると、「無職・単身世帯65歳以上」の平均社会保障給付が年間144万5640円(月額12万470円)です。65~85歳までの20年間で2891万2800円の受給をすることになります。
ただ、支出に対し、582万6480円足りません。そのため、平均的な生活をするためには、貯蓄が600万円程度は必要であるといえます。もし退職金があれば、生活費にまわすことも可能でしょう。
・平均年金月額約12万円+不労所得がある場合
前述したように、平均年金月額約12万円を得ていたとしても、65~85歳までの総支出に対して約582万6480円足りません。年間にして29万1324円(1ヶ月あたり2万4277円)の収入が必要となります。不労所得はさまざまですが、例えば、リスクがないものでいえばポイントサイトに登録し、楽しみながらポイントを貯めて現金化する方法があります。
ただし、月々2万円以上の収入をポイントサイトで得るのは難しいため、支出を節約しながら行わなければなりません。ネット証券をはじめるのもひとつの方法です。毎月100円からや、ショッピングのポイントではじめられるタイプもあるため、気軽にスタートできます。無理のない範囲で行いましょう。
老後に働かずに生活するには年金にプラスアルファが必要
老後を65歳以降とした場合、85歳までに約3474万の支出額がかかります。無職の場合、65歳以上の平均年金受給額が約12万円なので、約583万円足りません。そのため、年金以外の収入あるいは貯蓄が必要です。退職金があればその分の足しにはなりますが、不労所得も含めて、老後に必要なお金を貯める目標・方法などを考えましょう。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部