更新日: 2023.01.08 セカンドライフ
「80歳以上」で働いている人の割合って? 老後は「年金以外」で月いくら稼ぐべきなの?
本記事では80歳以上で働いている人の割合の紹介をはじめ、定年後の生活にかかる平均支出と年金の平均受給額などをもとに、年金だけで生活していけるのかどうかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金だけで老後の生活を送れるのか
内閣府が発表している「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(概要版)」によると、調査した1755人のうち、80代は360人となっています。そのうち、仕事をしている人の割合は10.0%、仕事をしていない人の割合は90.0%です。このことから、80代で働いている人はいるものの、割合としては少ないことが分かるでしょう。
老後の平均支出金額については、総務省統計局が発表している「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合、食料や住居、光熱費や水道代などにかかる消費支出金額は22万4436円です。
また、税金や社会保険料などの非消費支出金額は3万664円になるため、26万円ほどの支出があると考えられます。
年金の収入については、現役時代に公務員や会社員などとして働き、厚生年金に加入していた人は、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類を受けることが可能です。厚生労働省が発表している「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金の平均年金月額は5万6358円、厚生年金保険(第1号)の平均年金月額は14万6145円であることが分かります。
なお、厚生年金の保険料は収入によって納める金額が異なり、また、受給する際も納めた額によって受け取れる金額が異なりますが、日本年金機構によると令和4年の夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は21万9593円となっているため、支出を平均金額の26万円とすると、赤字になることが分かるでしょう。
さらに、上記の金額はあくまでも受給者の平均金額となるため、この金額以上に少ない年金で生活をしなくてはいけない場合もあります。また、結婚している場合は夫婦共働きであったのか、片働きであったのかによっても老後の資金に差がついてしまいます。
支出金額についても、病気やけがをした場合は治療費や入院費など、予想外の出費が生じたり、急な冠婚葬祭などで支出が増えたりする可能性もあるでしょう。それらのことから、20万円以上の年金収入があったとしても年金だけで生活するのは厳しいです。
どのくらいの金額が不足するのかについては前述の通り、納めてきた金額によって受給金額も異なるほか、支出金額も人によって異なるため一概にいえません。
しかし、年金だけで老後の生活を送るのは難しく、平均としては月に6~7万円ほど稼ぐと支出と収入のバランスがとれるでしょう。
年金以外の収入を得ることで余裕のある生活を送ろう
本記事で紹介したように、年金だけで老後の生活を送ることを考えると赤字になる可能性が高いため、気を付けなくてはいけません。
どのくらいの収入を得る必要があるのかについては、年金の受給金額によっても異なりますが、仕事で稼ぐことで余裕のある生活ができるでしょう。また、働き続けたくないという人は、少しずつでも現役時代から貯蓄することが大切です。
出典
総務省 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要総世帯及び単身世帯の家計収支
内閣府 令和元年度高齢者の経済生活に関する調査結果(概要版)
厚生労働省 令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部