介護保険を使って、福祉用具が購入できるって本当?

配信日: 2023.01.17

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介護保険を使って、福祉用具が購入できるって本当?
介護保険で受けることができるのは、訪問介護やデイサービスなどのサービスだけではありません。福祉用具のレンタル、購入、住宅改修もできます。今回は、福祉用具の購入について解説します。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

福祉用具の購入とは

介護保険を使って、入浴や排せつに用いる福祉用具を都道府県または市区町村の指定を受けた事業者から購入できます。指定事業者以外から購入した場合、給付の対象となりませんので注意してください。また、介護付有料老人ホームやグループホームにお住まいの場合は、原則として利用できません。
 
購入対象の福祉用具は以下の6種類です。
 

(1)腰掛便座
(2)自動排せつ処理装置の交換可能部
(3)排せつ予測支援機器(2022年4月から介護保険適用)
(4)入浴補助用具(入浴用いす、 浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト)
(5)簡易浴槽
(6)移動用リフトのつり具の部分

 
要介護度にかかわらず同一年度(4月から翌年3月まで)10万円(消費税込み)を限度に、その1割~3割で購入できます。要支援、要介護ともに、訪問介護やデイサービスなどの居宅サービスの支給限度額とは別枠で利用できます。
 
ただし、上記の種類の福祉用具であっても介護保険の対象とならない福祉用具もありますので、事業者に確認しましょう。
 
購入費の支給は、原則、同一年度で1種目1回に限られています。ただし、破損や介護の必要の程度が著しく高くなった等の特別の事情があり、市区町村が必要と認めた場合は同一種目について再度購入費が支給されます。
 

2つの支給方法

「償還払い」「受領委任払い」があります。
 
「償還払い」では、福祉用具を購入時に、いったん費用の全額を支払った後に、市区町村へ申請し、適切な購入と認められた場合、購入費の7割~9割を介護保険から受けることができます。
 
「受領委任払い」は、費用の全額を支払うことが困難な場合等は、最初から費用の1割~3割だけを支払う方法です。
 
「償還払い」が基本ですが、「受領委任払い」を取り入れている市区町村もありますので支給方法を確認しておきましょう。
 

購入の流れ

まず、ケアマネジャーに購入希望であることを伝えます。指定を受けた福祉用具販売事業者を選びます。
 
購入の際には事業所の福祉用具専門相談員から説明をしっかり受けましょう。福祉用具のレンタルと異なり全国平均価格が公表されておらず、業者によって価格が大きく異なるケースがあるので、ケアマネジャーにいくつかの事業所から相見積もりをとってもらい、慎重に事業者を決めましょう。
 
また、カタログを見ただけでは使い勝手がわかりませんので、購入前に無料で試すことができる事業者も選択の際のポイントです。
 
購入を決めたら、市区町村の介護保険の窓口で福祉用具購入の申請を行います。事業者が申請の代行をしてくれる場合もありますので確認しましょう。市区町村により異なりますが、申請には、福祉用具購入費支給申請書、福祉用具サービス計画書(写し)、 領収証の原本、 パンフレット等(写し)などが必要です。
 
排せつ予測支援機器にかかる申請の場合は、下記の(1)(2)の提出も必要となります。
 

(1)要介護者等の膀胱機能の医学的な所見を確認することができる書類の写し(以下の1~4のいずれか)
1.介護認定審査における主治医の意見書
2.サービス担当者会議等における医師の所見
3.介護支援専門員等が聴取した居宅サービス計画等に記載する医師の所見
4.個別に取得した医師の診断書 等
 
(2)排せつ予測支援機器 確認調書
審査の結果、福祉用具の購入が保険給付の対象になると認められたときには、介護保険課などから「介護保険支給決定通知書」が申請者へ送付され、ご本人の口座に福祉用具購入費の保険給付金が振り込まれます(償還払い)。

 
ご不明な点はお住まいの自治体等に確認して、介護保険をうまく活用しましょう。
 

出典

厚生労働省 福祉用具・住宅改修
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー
 

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