更新日: 2023.02.10 その他老後
私の会社は「退職金」がありません…老後は「年金だけ」で暮らしていけるでしょうか?
また、老後は年金だけで暮らせるのかどうか気になる人のために、定年後に必要な生活費や年金の平均受給額についても解説しているので参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職金がない会社の割合はどのくらいある?
厚生労働省が提示している「平成30年就労条件総合調査結果の概要」では、退職金制度がない企業の割合は19.5%です。企業ごとの人数で見ていくと、30人~99人の企業で退職金制度がないところが22.4%となっています。また、100人~299人のところは15.1%、300人~999人のところは8.2%、1000人以上では7.7%です。
人数別でみるとわかるように、1000人前後が在籍している大手企業になるほど、退職金制度のない会社の割合は少なくなっています。一方、100人未満の小規模な会社になってくると、退職金制度のない会社が多くなる傾向にあるようです。
定年後に必要な生活費はいくら?
総務省統計局が提示している「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯が1ヶ月に必要な平均生活費(消費支出)は22万4436円です。また、65歳以上で単身の場合は、平均生活費が13万2476円となっています。
女性の平均寿命が87歳となっているので、65歳から87歳までの22年間で必要になる平均金額は、夫婦で5925万1194円です。単身の場合は、22年間で平均3497万3664円が必要になります。
「人生100年時代」と言われているため、65歳から100歳までを計算すると、夫婦では35年間で平均9426万3120円が必要です。単身の場合であれば、35年間で平均5563万9920円がかかることになります。
あくまで平均的な金額となっているため、1ヶ月にかかる食費や水道光熱費、保険料、家賃、その他の支出などの金額によって変動します。
年金の平均受給額はどのくらい?
厚生労働省が発表している「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は14万5665円です。令和2年度では14万6145円となっているため、金額が前年度に比べて減っていることがわかります。
また、年金は繰上げ・繰下げ受給が可能です。ただし、繰上げの場合は1ヶ月あたり0.4%~0.5%の減額になり、繰下げは1ヶ月あたり0.7%増額されます。
そのため、60歳0ヶ月に繰り上げした場合は24%、63歳0ヶ月に繰り上げすると9.6%の減額です。一方、66歳0ヶ月に繰り下げた場合は8.4%、70歳0ヶ月に繰り下げると42%の増額になります。さらに、75歳0ヶ月に繰り下げた場合は84%とかなりの増額です。
一度繰上げ・繰下げをおこなうと、年金の金額が生涯変更されることはありません。とくに、繰り上げをすると減額されたまま金額が変わらないので、長生きをすると損をすることになってしまいます。よって、繰り上げて年金を受給する際は注意が必要です。
退職金がない会社は19.5%! 定年後は2000万円以上必要に
退職金制度がない会社は、およそ19.5%の割合であることがわかりました。とくに、従業員が100人以下の小規模の企業であるほど、退職金がない可能性が高くなる傾向にあります。
また、定年後に必要な平均生活費は、夫婦で1ヶ月22万4436円、単身であれば13万2476円です。1人あたり、生涯で必要な生活費は2000万円以上になることがわかります。さらに、年金は繰り上げをしてしまうと減額となり、生涯金額が変わらないので、繰り上げをする際はよく考えておこなうほうがおすすめです。
出典
厚生労働省 平成30年就労条件総合調査の概況
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要
厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部