更新日: 2023.02.27 セカンドライフ
65歳以上で貯蓄が「2000万円」ある世帯はどれくらい? 最低限必要な貯蓄額はいくら?
本記事では、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄額を見ていきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
世帯主が65歳以上の世帯はどれくらい貯蓄できている?
世帯主が65歳以上で2人以上世帯の貯蓄額の平均値は、総務省が公表している「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)平均結果(二人以上の世帯)」によると、2376万円となっています。平均値だけを見ると65歳以上の世帯は貯蓄が2000万円以上あるように思えます。
中央値は1588万円
しかし、極端に高額な貯蓄額の世帯があると平均値は上がってしまうため、実際の平均的な貯蓄額とは言えない場合もあります。そこで平均値ではなく「中央値」を見てみると、1588万円となっていました。2人以上世帯で1588万円なので、老後2000万円問題に対応できていない世帯が過半数を占めているといえます。
なお、この中央値には貯蓄残高ゼロの世帯は最初から除かれている点にも留意する必要があり、貯蓄ゼロ世帯も含めた場合の中央値は、さらに下振れすることになります。
世帯主が65歳以上の場合、貯蓄が2000万円ある世帯
同調査では、世帯主が65歳以上で貯蓄が2000万円以上ある世帯の割合は41.3%となっています。その中でも貯蓄が4000万円以上ある世帯は17.7%あり、平均値を引き上げている要因となっていることが明らかとなっています。
一方、貯蓄が300万円未満の世帯は全体の14.8%を占めています。65歳以降も働くなど、年金以外の収入が必要な世帯も多いと言えます。
65歳以上の家計の収入と支出
65歳以上世帯の収入と支出はどのようになっているのでしょうか?
総務省統計局が公表している「家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要」では、65歳以上で夫婦のみの世帯の実収入は23万6876円、社会保険料などを引いた可処分所得は20万5911円となっています。消費支出は22万4436円です。可処分所得と消費支出の差は1万8525円で、赤字となっていることがわかります。
あくまで調査結果の中での数値ですが、年金などの実収入だけでは生活は苦しいようです。
老後の日常生活で最低でも必要な貯蓄額は?
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人で老後に必要な最低日常生活費は23万2000円、ゆとりのある老後生活費は37万9000円となっています。前述の平均的な可処分所得20万5911円から考えると、最低日常生活費には2万6089円、ゆとりのある老後生活費には17万3089円足りないようです。
老後に準備したい貯蓄額
最低日常生活費に必要な差額の2万6089円は、1年分で31万3068円となり、65歳から80歳までの15年分として計算すると、469万6020円が年金などの実収入以外で必要です。夫婦で2000万円は難しくても、最低でも約450万円は貯蓄などで補填できるように考えましょう。
ゆとりのある老後生活に必要な貯蓄額
ゆとりのある老後の生活費と可処分所得との差額の1年分は207万7068円です。そして、65歳から80歳までの15年分を計算すると3115万6020円となります。ゆとりのある生活には、かなり多くの貯蓄が必要です。そのためには計画的な資産形成をしなければ難しいと言えます。
老後の生活をどのように送りたいかを考えてみましょう。
本記事では、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄額を見ていきました。貯蓄額の平均値や中央値は、ご自身の貯蓄額と比べて高かったでしょうか?
その場合、まずはどのように老後の生活を送りたいかを考えてみましょう。そして、今後の資産形成に生かせるように、家計について改めて考えてみましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要
公益財団法人 生命保険文化センター 生活保障に関する調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部