更新日: 2023.03.17 セカンドライフ

老後に旅行をしたり好きなものは買える? ゆとりある生活に必要なお金

執筆者 : 下中英恵

老後に旅行をしたり好きなものは買える? ゆとりある生活に必要なお金
仕事を引退して時間ができる老後には、ゆっくり温泉に行ったり、趣味を楽しんだりしてみたいと考えている人は多いでしょう。
 
しかし、旅行や趣味に必要なお金は準備できているでしょうか。本記事では、ゆとりある老後の生活を送るために、どのくらいお金が必要なのか、詳しく見ていきます。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

老後に必要な生活費は?

まず、経済的に余裕がある老後の生活に必要な金額を確認します。必要額の計算では、「生活費」と旅行や趣味に使う「娯楽費」を分けて考えるのがおすすめです。
 
生活費は、現在使っている毎月の支出を参考にするとよいでしょう。住居費について、賃貸住宅の場合は老後も引き続き家賃が発生し、持ち家で老後にローンを完済している場合は毎月の住居費が大幅に減ります。
 
ただし、修繕やメンテナンス費用として月に2万円程度を積み立てておくと安心です。食費や水道光熱費、ガソリン代や交通費、通信費などは老後も引き続き必要となります。
 
働いていた頃に、付き合いでの飲み会や外食が多かった場合、老後は自炊を心掛けると食費の負担を軽くすることができるでしょう。老後における夫婦2人の生活費は、一般的に月25万円程度と覚えておきましょう。
 

老後に楽しみたい! 必要な娯楽費

それでは、老後の娯楽費を計算していきましょう。例えば、夫婦2人で年2回の温泉旅行と年1回の海外旅行に出掛けたとします。
 
温泉は、泊まる宿などにもよりますが、1回約5万円として年間10万円必要となります。海外旅行は、場所などにもよりますが、夫婦2人でハワイの場合は1回50万円ほど見積もっておきましょう。
 
老後は、孫と過ごす時間を楽しみにしている人もいらっしゃるでしょう。孫2人へ誕生日とお年玉、夏休みにそれぞれ1万円ずつ贈るとすると、年間で6万円かかります。
 
趣味を楽しもうと、料理や英会話、パソコン、ゴルフや水泳など習い事に通う方もいらっしゃるかもしれません。夫婦2人がそれぞれ月謝5000円の習い事をすると、年間で12万円が必要です。
 
上記のように老後を楽しむケースでは、必要な娯楽費は年間78万円、毎月の負担は6万5000円になります。先ほどご紹介した生活費25万円と合わせると、毎月30~35万円ほどあれば、ゆとりある老後を過ごせることになります。
 

老後資金はいくら必要?

老後は、今までの貯金と年金を基に生活していく人がほとんどです。厚生労働省の調査によると、令和4年3月末の厚生年金保険(第1号)の受給者に係る老齢年金の平均年金月額は、14万5665円となっています。
 
また、国民年金受給者で老齢年金25年以上の平均年金月額は、5万6479円です。 年金の加入年数にもよりますが、夫婦2人の場合、一般的に世帯の年金収入は20~25万円程度となります。
 
必要な金額ともらえる年金額を比べると、残念ながら、ゆとりある老後のためには年金だけでは足りないことが分かります。年金に加え月10万円ほどあれば、経済的に余裕が生まれるでしょう。
 
単純に計算して年間では120万円、老後20年間では2400万円が必要となります。今までの貯金や退職金を合わせ、老後までに2000万~3000万円準備することを目標にするとよいでしょう。
 

まとめ

少し前に「老後2000万円問題」が話題となりました。この2000万円という数字に驚いた方もいらっしゃるかもしれませんが、実際、ゆとりある老後を送るためにはこれだけの金額が必要となります。
 
老後資金は、若いうちから少しずつ準備していくことをおすすめします。本記事で紹介したゆとりある老後の生活をイメージしながら、将来に向け、貯金に励んでいきましょう。
 

出典

厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」令和4年3月現在
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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