年金と別に必要な「老後資金の2000万円」どうやって準備する?
配信日: 2023.03.27
本記事では、老後資金の準備についてお伝えします。
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執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
老後2000万円問題とは
老後2000万円問題とは、大ざっぱにいうと「60歳を過ぎて定年退職し、夫婦がともに仕事を辞め、そのまま仕事をせずに生活を続けた場合、老後の生活費はもらえる年金だけでは足りず、不足額は2000万円くらいになるだろう」というものです。
この問題がわが家に関係あるか、まったく関係ないかは、それぞれの家庭によって異なります。
例えば、65歳を過ぎてからもらえる年金額が夫婦合わせて毎月20万円、毎月の生活費が25万円の家庭では毎月5万円が不足し、不足分は貯蓄から取り崩していくことになります。毎月5万円の不足分は1年間で60万円、30年間で1800万円となり、この場合は老後2000万円問題に直面することになります。
しかし、もらえる年金額が夫婦合わせて毎月20万円、毎月の生活費も同じ20万円の家庭では不足が生じず、貯蓄を取り崩す必要がないため、老後2000万円問題を気にせず生活することができます。
現在準備できている金額を知る
しかしながら、現時点では老後にもらえる年金や生活費がいくらになるか予想がつかないこともあるのではないでしょうか。そのため今回は、差し当たり「退職までに2000万円準備する」を目標としてみます。まずは今現在、どのくらい準備できているかを確認しましょう。
わが家には今どのくらいお金があるか
老後の準備資金として現時点でどのくらいお金があるのか、まずは今の貯蓄額を確認していきます。
普通預金や定期預金など、複数の銀行に預けているお金は全て合算します。投資信託やNISA、株式や債券、財形貯蓄なども貯蓄に含めます。さらに、家の中や携帯の中にあるタンス預金やへそくり、商品券などの金券類、電子マネーの残高なども確認してみてください。
これらの貯蓄を全て合算した結果、2000万円以上あれば「2000万円準備する」という目標はクリア済みです。
わが家はこれからどのくらいお金をもらえるのか
現時点での貯蓄額が2000万円に満たない場合は、これからもらえる予定のお金を確認しましょう。勤務先の会社に退職金制度がある場合は、これも老後の準備資金になります。
ただし、退職金で「住宅ローンの一括返済をする」「子どもの教育費を支払う」もしくは「自動車を購入する」といったことを考えている場合は、退職金からその分を引いた額を老後の準備資金とします。例えば、退職金として1000万円もらえる予定だが、そのうち600万円は住宅ローンの返済に回すという場合は、400万円が老後の準備資金となります。
個人年金など貯蓄型の保険に加入している場合は、その満期金も確認しましょう。さらに、貯蓄型の保険以外にも、会社や労働組合を通じて加入している貯蓄型の商品がないか忘れずにチェックしてください。わが家に今あるお金と上記のこれからもらえるお金を合わせ、2000万円以上あれば「2000万円準備する」という目標はクリア済みです。
今後いくら貯める必要があるかを知る
わが家に今あるお金とこれからもらえるお金を全て合算して2000万円に届かない場合は、差額を退職までに貯めることになります。
例えば、定年退職まであと10年、わが家に今ある貯蓄が480万円、これからもらえるお金が800万円の場合は、定年までに720万円を貯めることで2000万円が準備できます。退職までの10年間(120ヶ月)で720万円を貯めるとすると、毎月必要な貯蓄額は6万円となります。
目標の貯蓄額=現在の貯蓄額+今後もらえる額+これから貯蓄する額
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これから貯蓄する額=目標の貯蓄額-現在の貯蓄額-今後もらえる額
(例)これから貯蓄する額=2000万円(目標の貯蓄額)-480万円(現在の貯蓄額)-800万円(今後もらえる額)=720万円
「これから毎月いくら貯めていけば目標の貯蓄額が準備できるか」を知るために、まずは「家の中や携帯の中にあるお金を全て明らかにする」ことからスタートしてみましょう。
毎月必要な貯蓄額が分かってから、貯める方法を決めても遅くはありません。お金を貯める方法には、預貯金や株式、債券、iDeCoやつみたてNISAなどさまざまなものがあります。それぞれの特徴を知り、自分に合った方法で目標に向けた貯蓄を始めましょう。
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント