更新日: 2023.03.31 セカンドライフ

老後は働かずに暮らしたい! 生活資金はどうやって準備する? 今からできる方法をFPが解説

老後は働かずに暮らしたい! 生活資金はどうやって準備する? 今からできる方法をFPが解説
人生100年時代といわれているように、日本は長寿国家となりました。仮に65歳で退職をすると、100歳までの期間は35年となり、25歳の若手社会人が還暦を迎えるまでの年数です。
 
これだけの長い期間を働かずに過ごすためには、どれだけの資産を築いていればいいのでしょうか。本記事では、老後に働かないで暮らしていくための資産形成の方法を解説します。
遠藤功二

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

老後の資産はどれだけ必要?

老後に向けた資産形成をする際には、「何歳までに〇〇円の資産を作ろう」という目標を立てることが大切です。目標金額は、老後の支出をもとに計算します。下記のような順序で考えると、具体的な目標金額を決めやすくなります。

【老後資産の目標金額の決め方】
 
(1)老後の毎月の支出を計算する
(2)老後の年金額を確認・試算する
(3)老後のライフイベントに必要な支出を見積もる
(4)上記をもとに次の算式で目標金額を計算する

[(1)-(2)]×老後の年数分の月数+(3)=老後に必要な資金

老後の毎月の支出は、独身や夫婦のみの世帯の人は現在の生活費を参考にして、また子育て世帯の人は子どもが自立した後の生活費を想定して計算してみましょう。家計の収支を管理するために家計簿を付けたことがない人は、この機会に始めてみることをおすすめします。
 
老後の年金額については、第1号および第3号被保険者は国民年金(老齢基礎年金)の金額(令和5年度の満額で約79万5000円/年)となり、第2号被保険者は国民年金に加えて老齢厚生年金も受け取れます。
 
公的年金を受け取るためには一定の受給要件を満たす必要があるほか、厚生年金の受取額は、平均標準報酬額と被保険者期間の月数で変動します。
 
今後の収入の影響を受けるため、現役時代に老齢厚生年金額の確定値を知ることはできませんが、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でおおよその受取額は確認・試算ができます。
 
老後のライフイベントの支出とは、自宅の修繕や住み替え、車の買い替え、親族への援助、趣味や娯楽のための出費のほか、病気・けがでの入院や治療といった医療費、介護費など、さまざまなものが考えられます。思いつくかぎりを挙げてみましょう。
 
老後の支出項目の洗い出しができたら、(4)の式に当てはめて計算します。
 
例えば、(1)老後の毎月の支出が30万円、(2)年金の受取額が20万円、(3)ライフイベントの支出が1500万円で、想定する老後の年数が30年という人であれば、(4)の結果は「(30万円-20万円)×30年×12ヶ月+1500万円=5100万円」となります。
 
これだけあれば計算上、働かなくても30年は過ごせるということです。
 
かなり大きな金額ではありますが、老後の人生が現役時代に匹敵するほど長くなる可能性もあることを考慮すれば、驚くほどの金額ではないと感じる人も多いのではないでしょうか。
 

老後のための資産形成の手段4選

まとまった金額の老後資産は一朝一夕では準備できないため、コツコツと積み立てることが大切です。
 
ここでは老後のための資産形成の方法として、筆者が任意に選定した以下の4種類を簡単に説明します(もちろん、これら以外にも貯蓄型保険や金投資など、資産形成の方法は多数あります)。


・確定拠出年金
・つみたてNISA
・不動産投資
・株式投資

確定拠出年金

確定拠出年金は、加入者ごとに拠出された掛け金を、加入者自らが運用して資産を形成していく年金制度です。
 
申し込み、掛け金の拠出および運用、資産の受け取りまでを自身で行う個人型(iDeCo)と、事業主が掛け金を拠出して従業員が運用する企業型があり、企業型には事業主が拠出した分に従業員が上乗せする「マッチング拠出」もあります。
 
個人が負担した掛け金は、所得税・住民税を計算する際の所得から控除できます。また、拠出対象は金融機関によって異なりますが、元本の価格変動リスクがないタイプの商品と、価格変動リスクがある商品が選べます。価格変動リスクがある商品とは、投資信託のことです。
 

つみたてNISA

つみたてNISAは、年間40万円までの投資枠を上限に、20年間は運用益が非課税になる投資制度です。投資対象は投資信託となり、確定拠出年金と併せて活用することでまとまった資産形成につながります。
 
なお、2024年1月からは新しいNISAがスタートし、年間投資枠の拡大や非課税運用期間が無期限になるなど制度は改良される形になります。詳しくは、金融庁のウェブサイトなどでご確認ください。
 

不動産投資

賃料収入が得られるタイプの収益不動産は、老後のための資産形成商品として人気があります。ローンを組んで物件を購入し、賃料収入をもとにローンの返済や各種費用の支払いを行います。金融資産形成と並行してできる点が魅力的ですが、物件の良しあしを見抜く力なども必要です。
 

株式投資

株式投資は、上手に行えば投資金額を何倍にも増やせる可能性があります。また、配当や株主優待は老後の生活でのプラスにもなります。しかし、景気や業績の悪化で価値が急激に目減りすることがあるので、余裕資金の範囲で行うことが大切です。
 

 

まとめ

老後は長い人で30年以上に及ぶ場合がありますが、日本は少子高齢化によって年金財政の支え手が不足する人口構造になっており、老後の資産は自助努力で作る時代が到来したといえます。まずは老後に向けた第一歩として、できることから準備を始めましょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
金融庁 NISAとは?
 
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

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